Discover the 「風雅のブリキ缶」 written by tonkyu

科学と文芸を融合した仮説作品「風雅のブリキ缶」姉妹篇。街で撮った写真と俳句の取り合わせ。やさしい作品サンプルも追加。

『第一容疑者(Prime Suspect)』を観る

2016年04月12日 20時40分22秒 | Journal
 『第一容疑者(Prime Suspect)』は、映画ではなく最初からテレビドラマだから、いつもの「何々映画をテレビで観た」という情けなような弁解は必要ない。代わりに、多少古くて、1991年から2006年まで断続的に制作されたイギリスの刑事ものだ。主演は、ジェーン・テニスン主任警部(警視)役のヘレン・ミレン(Helen Mirren)。残りの役者は、放送回によってかなり入れ替わる。脚本は、Lynda La Plante。複雑な構成のドラマで、原作があるのかと思いきや、この女性脚本家のオリジナルである。イギリスはシェークスピアの国で、演劇が発達し、脚本家も水準が高いのだろう。ヘレン・ミレンでは、この前、エリザベス1世役のドラマも観た。現代のロンドン市警のやり手警部様がエリザベス女王になったような変な錯覚を覚えた。ヘレン・ミレンはアカデミー賞など数々の主演女優賞を受賞しているが、日本で彼女のような女優を探すと、市原悦子になるか。それに、市原主演の『おばさんデカ 桜乙女の事件帖』は、エミー賞作品賞の『第一容疑者』に似たところがあると言えば、大抵の人は笑うであろうな。



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家のチューリップ

2016年04月11日 21時14分28秒 | Journal
 家のベランダ前のチューリップが咲いた。昨秋、球根を埋めたのだが、散歩に通りかかるネコちゃんが球根の強い匂いが気に喰わないらしくほじくり返して、何度も埋めなおしたり、場所を変えたり、少しは苦労したが、半分あきらめかけていたチューリップがこうして桜が散る時期になって見事に咲きだした。チューリップというものを球根から育てたのは初めてなので、チューリップがこんなにゆっくりと時間をかけて開花するとは知らなかった。それだけに本当に美しいと感じる。

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『晩春』に観る原節子

2016年04月04日 21時45分21秒 | Journal
 この小津安二郎監督の『晩春』(1949)は、有名な作品だし、とっくに観たことがあると思っていた。どんな映画だったかなと、今日、BSのNHKで放映されたのを観てみると、観ていないことが判明した。『麦秋』(1951年)、『東京物語』(1953年)で原節子が演じたヒロインはすべて「紀子」という名前であり、この3作品をまとめて「紀子三部作」と呼ぶこともあるとか。この『晩春』における紀子役の原節子は、『東京物語』などに比べて、ずっと怖い顔を見せる。特に、再婚をにおわせる父親に対する睨(にら)むような目つきは、なかなか凄(すさ)まじく怖い。娘が自分の父親をこんな嫌な目つきで睨むものかと、不思議な感じもした。やもめの父親はたぶん東大の経済か歴史の教授で、その娘だから賢くて、活発なところもあるが、戦争中に躰を壊して病院にも通うなど、翳りもある複雑な役柄だ。陽と陰が同居した性格である。ちょっと、先に本ブログでも触れた『ガス燈』のイングリッド・バーグマンの演技や顔の表情を彷彿とした。そして、映画にもう少し劇性があれば(それでは小津映画らしくないかもしれないが)、本場ハリウッドの主演女優賞だって取っておかしくないと勝手に思った次第。





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