料金問題で不満はあっても、なんとなくリラックスした身体をホテルに向けて歩いていると、売店わきに写真の広告を見かけた。ZEXYって、たしかあのリクルートが出している結婚雑誌の名前ではなかったかと思った。はは~ん、上海の結婚ブームを当て込んで、進出しているのかと、その商魂に感心した。上海人がどう思っているかは知らない。
ところで、ホテルでもう一杯、風呂上りに青島ビールが飲みたくなるだろうと予期して、コンビニのようなところに寄った。すると、日本人らしい老夫婦がやはり棚のビールを探していて、小生が脇を通る際に「失礼」と声をかけたことで日本人と知り、どんなビールがいいかと訊(き)かれたから、「この青島ビールが一番旨いですな」と太鼓判を押すと、それを2缶持ってレジの前までいくが、そこでなにやら困っている。奥さんの方が、小生をわきへ引っ張っていき、100元札がいっぱい入った両替の袋を示しながら、「どのお金を出したらいいか分からない」と言う。小生が、その中から10元札1枚取り出し、「これで払っておきなさい」と助言。夫婦は大いに有り難がって店を出ていった。それにしても、あそこまでまごついていて大丈夫なのかと心配になる一方、ああして外で購入した缶ビールで安くすませるために、老人が暗いなかを見知らぬ異郷の街のコンビニに出てくる様に、一種切なさを感じた。ただ、それを言えば、小生も同じだが。