居木神社末社厳島神社(品川大崎)の境内に、梅が咲いていた。今年は暖冬で、そろそろ梅も見納めであろう。先日の強い風雨(春一番)で大分花も落ちた。戻った冷たい風の中、青空を背景に可憐に咲いてみせる紅白の梅を眺めて、一句思い立つ。
春一番抜けて冷たし梅の花 頓休
隅々(すみずみ)に残る寒さやうめの花 蕪村
さすがに蕪村。ところで、蕪村の句には、
紅梅の落花燃らむ馬の糞
というのもある。明るい路上へ紅梅の花が落ち、そこには先刻から馬の糞があるよと、まあ、随分な句であるが、これも蕉門の伝統的な美観だと思う。とかく奇麗好きな今の人は、こうした糞まみれな美をわざわざ句に詠み込むことは、まずない。
春一番抜けて冷たし梅の花 頓休
隅々(すみずみ)に残る寒さやうめの花 蕪村
さすがに蕪村。ところで、蕪村の句には、
紅梅の落花燃らむ馬の糞
というのもある。明るい路上へ紅梅の花が落ち、そこには先刻から馬の糞があるよと、まあ、随分な句であるが、これも蕉門の伝統的な美観だと思う。とかく奇麗好きな今の人は、こうした糞まみれな美をわざわざ句に詠み込むことは、まずない。