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勝どき橋をわたって、守衛がいる門のようなところをすぐ左に折れて進むと、ターレが頻繁に走り抜ける市場の前に、見知らない神社があった。「波除(なみよけ)稲荷神社」という。なんでも、江戸開府の1603年までさかのぼるが、築地一帯が海だった時代に、諸大名を総動員して日比谷入江から埋め立て工事の一大プロジェクトが始まって、埋立地に次々と町ができたが、明暦の大火の後も、工事が困難を来たしたのがこの築地の海面だったという。堤防を築いてもすぐに波にさらわれてしまう。ところが、ある晩、海面に光を放つ浮遊物が見つかり、舟を出して引き上げると、なんと稲荷神社のご神体。社殿をつくり、それをお祀りすると、波風はピタリとおさまり、工事もやすやすと進行して終了した(1659年)。人々は、御神徳に驚き、一声で万物を威伏させる獅子の頭を奉納した。
果たして、市場移転問題の大波も除けてくれるか、そのご利益(りやく)の真価が問われるのは、これからだ。
果たして、市場移転問題の大波も除けてくれるか、そのご利益(りやく)の真価が問われるのは、これからだ。