9月11日の衆議院議員選挙に向け、田中康夫・長野県知事が「新党日本」を立ち上げた。しかし、なぜ、ニホン(NIHON)ではなく、ニッポン(NIPPON)だったのか、そこが興味深い。
国立国語研究所が今年発表した話し言葉の調査では、「ニホン」読みが96%と圧倒的に多いとか。それでも、サッカーの国際試合では、「ガンバレ、ニッポン!」だから、日本人は自分の国を意識し、国威発揚的に興奮すると、必ず「ニッポン」になると考えている。
田中氏は、「日本は今や1000兆円という世界一の借金を抱え、血税6兆円を注ぎ込んだ日本長期信用銀行は6000分の1の価格10億円で外国の金融業者に転売された」と大いに国を憂える。大体、そんな風な実感もないで、せいぜい自分のケチな借金の心配をしている国民は、そうか、この国も借金まみれなのかと改めて驚く。その点では、彼のニッポン作戦は功を奏している。冷厳なる数値勘定と愛国的感情を同時的に刺激している。
写真は、浜松町の世界貿易センターから写した東京の街。無計画で救いようのない印象もあれば、こうした街にも人々の生活が営まれていることに一種感慨もわく。1000兆円の借金もこの土地の下に多くは眠っているのであろう。その地下には、遠くからやってきた地震波を大きく長く増幅させる軟らかい地層が分厚くある。そうして起こった長周期波地震で、何もかも倒壊してしまったら、借金は棒引きになるのだろうか。
ちなみに、写真を撮ったのは、日本の建物が大丈夫か検査する業界の営業担当者が集まる会議の取材中だった。ゼネコンに頼まれて検査しても、十分なお金をくれないからイカサマ業者による手抜き検査も横行するのだと、怖い話が行き交っていた。なんでも、検査技術者の時給はセブンイレブンのアルバイターより低いとか。
手抜きは賞味期限切れのコンビニ弁当のように検査データを扱う業界だけではない。記者も記事がデータならば手抜きをしたくなる。朝日新聞の28歳の長野総局記者が田中知事と亀井静香氏の会談を実際には取材せずに見込みによって「虚偽のメモ」を書き、それを基に記事が出てしまった。小生も記者だから、この青年記者の失敗は目に映るようによく理解できる。大体、全体の流れ、仕上がりのイメージを把握できない地方記者にメモを出させて、それらをデータのように集計して、いっぱしの記事を構成する編集スタイルが問題なのだ。
科学の論文もそうだろうが、新聞記事は様々な情報(=客観事実?)を積み上げた上に、主観的な総合分析が入る。ミクロを集合してもマクロにはならない、が前提にある。記者個人の「虚偽のメモ」に問題の全てがあるのではなく、巨大化した新聞社の流れ作業・分業的かつ中央集権的な「記事製作システム」にも大いに問題ありだ。つまり、リアルタイムのテレビ報道などに圧迫され、メモデータと記事の違いさえ分別ができなくなった新聞報道システムの構造問題だ。紙面を読んでいても、今の朝日は、記事の切れがなく、大きな頭蓋骨を持った味噌足りん、である。
追記:9月8日付け朝刊で朝日新聞は、秋山社長の謝罪発言を掲載。――朝日新聞の責任者として、私は今回の不祥事を防げなかった責任を痛切に感じています。編集部門を中心にした「解体的な出直し」に、不退転の決意で臨み、…/創刊から126年を数える朝日新聞はいま、不祥事が続発するという大変な危機にあります。…
国立国語研究所が今年発表した話し言葉の調査では、「ニホン」読みが96%と圧倒的に多いとか。それでも、サッカーの国際試合では、「ガンバレ、ニッポン!」だから、日本人は自分の国を意識し、国威発揚的に興奮すると、必ず「ニッポン」になると考えている。
田中氏は、「日本は今や1000兆円という世界一の借金を抱え、血税6兆円を注ぎ込んだ日本長期信用銀行は6000分の1の価格10億円で外国の金融業者に転売された」と大いに国を憂える。大体、そんな風な実感もないで、せいぜい自分のケチな借金の心配をしている国民は、そうか、この国も借金まみれなのかと改めて驚く。その点では、彼のニッポン作戦は功を奏している。冷厳なる数値勘定と愛国的感情を同時的に刺激している。
写真は、浜松町の世界貿易センターから写した東京の街。無計画で救いようのない印象もあれば、こうした街にも人々の生活が営まれていることに一種感慨もわく。1000兆円の借金もこの土地の下に多くは眠っているのであろう。その地下には、遠くからやってきた地震波を大きく長く増幅させる軟らかい地層が分厚くある。そうして起こった長周期波地震で、何もかも倒壊してしまったら、借金は棒引きになるのだろうか。
ちなみに、写真を撮ったのは、日本の建物が大丈夫か検査する業界の営業担当者が集まる会議の取材中だった。ゼネコンに頼まれて検査しても、十分なお金をくれないからイカサマ業者による手抜き検査も横行するのだと、怖い話が行き交っていた。なんでも、検査技術者の時給はセブンイレブンのアルバイターより低いとか。
手抜きは賞味期限切れのコンビニ弁当のように検査データを扱う業界だけではない。記者も記事がデータならば手抜きをしたくなる。朝日新聞の28歳の長野総局記者が田中知事と亀井静香氏の会談を実際には取材せずに見込みによって「虚偽のメモ」を書き、それを基に記事が出てしまった。小生も記者だから、この青年記者の失敗は目に映るようによく理解できる。大体、全体の流れ、仕上がりのイメージを把握できない地方記者にメモを出させて、それらをデータのように集計して、いっぱしの記事を構成する編集スタイルが問題なのだ。
科学の論文もそうだろうが、新聞記事は様々な情報(=客観事実?)を積み上げた上に、主観的な総合分析が入る。ミクロを集合してもマクロにはならない、が前提にある。記者個人の「虚偽のメモ」に問題の全てがあるのではなく、巨大化した新聞社の流れ作業・分業的かつ中央集権的な「記事製作システム」にも大いに問題ありだ。つまり、リアルタイムのテレビ報道などに圧迫され、メモデータと記事の違いさえ分別ができなくなった新聞報道システムの構造問題だ。紙面を読んでいても、今の朝日は、記事の切れがなく、大きな頭蓋骨を持った味噌足りん、である。
追記:9月8日付け朝刊で朝日新聞は、秋山社長の謝罪発言を掲載。――朝日新聞の責任者として、私は今回の不祥事を防げなかった責任を痛切に感じています。編集部門を中心にした「解体的な出直し」に、不退転の決意で臨み、…/創刊から126年を数える朝日新聞はいま、不祥事が続発するという大変な危機にあります。…
☆登録の際、プライベートな情報は必要ありません。
☆すぐお申し込み、すぐご利用できます。(最短5秒)
☆プライベートメール(セカンドメール)に最適です。
☆もちろん携帯でも使えます。
さらに!!
プロフィール設定、画像添付もできます♪
メル友探しだってカンタン!!
http://hitmail.cc/bn001