折々の記

日常生活の中でのさりげない出来事、情景などを写真と五・七・五ないしは五・七・五・七・七で綴るブログ。

写真&俳句VOL4 冬の日のハイキング

2009-02-06 | 写真&俳句
          
鐘撞堂山の頂上から眺める景色。
晴れた日は関東平野が一望の下に見渡せる。たまたま、この日、この時間帯は霞んでいて見晴らしは良くなかった。


はじめに

幼なじみのKくんと「近場の低い山を歩こう」シリーズの第2弾は、「鐘撞堂山」と「羅漢山」をめぐるハイキング。

その1日を写真と文章と俳句で紹介したい。(青の印字の俳句は小生、赤の印字の俳句は幼なじみのKくん)

当日のコースは、次のとおり。
コース:寄居駅→25分→大正池→15分→登 山口→20分→鐘撞堂山→20分→円良田湖→20分→少林寺→30分→寄居駅。徒歩計1時間45分。

寄居駅~大正池

寄居駅北口から国道140号線を越えて歩くこと約25分、山が近くなってくる。
よく見ると、もう杉の木が「花粉」をいっぱいつけている。

「ニュースによると今年は、花粉が飛ぶ時期や量も例年より早いし、多いらしいね」
そんな会話を交わしているうちに、「大正池」に着く。

               
山里にひっそりとたたずむ「大正池」


大正時代の初めに灌漑用の溜池として作られ、大正、昭和、平成の3代にわたってこの地の水不足に備えてきた。

一見、なんの変哲もない小さな池だが、幾多の風雪を刻んできたその湖面のたたずまいにはそれとなく惹かれるものがある。

山里に   時代を刻む   古き池


大正池~鐘撞堂山

大正池から林道を進むと登山口に出る。
樹林帯を抜けると竹林が続く。まるで竹林のトンネルである。

                
                竹林のトンネル

その竹林を、時折ゆるい冬の風がわたってゆく。

竹林を   そよと揺らすや   冬の風

風の音   凛と響きし   冬の嶺

真竹だけの見事な竹林なのだが、惜しむらくは手入れが行き届かずに倒れて黒ずんだ竹の残骸があちこちに見受けられる。

竹林や   荒れにしままで   哀しけれ


その竹林を過ぎ、尾根路をたどる。
すると、先を行く相棒が、
「ちょっと見て、この山つつじ、春の気配を感じない」
と道端のやまつつじに見入っている。

まだつぼみは固いものの、そこはかとなく春の息吹が感じられる。


山つつじ   寒さにめげず   春を待つ

               
鐘撞堂山の頂上。
東屋などが整備されていて、ちょっとした広場になっている。


鐘撞堂山は、標 高330m。敵の襲来を荒川対岸の鉢形城に、鐘を突いて知らせたという山。
関東平野を一望する頂上は、見張り台にはまさに絶好の場所。
この日は霞がかかって眺望は今一であったが、晴れた日には奥武蔵・秩父の山々をはじめ、赤城山や榛名山、浅間山も望むことができる。


鐘撞堂山~円良田湖~羅漢山・少林寺

帰路は、まず円良田湖を目指して山道を下る。

もうすぐ円良田湖という場所のとある民家の軒先に真っ白な猫が2匹ひなたぼこをしていた。(この猫たち、ハイカーの間で有名らしく、ネットでも紹介されている。)

相棒がその猫たちを見て一首

里山の  窪地の日向に   猫二匹

              
ひっそりとして、人気のなかった円良田湖


到着した円良田湖は平日のこともあってか釣り人の姿もなくひっそりとしている。


釣り人の   今は疎(まば)らな   浅き春


羅漢山は標高247メートルの低い山だが、頂上までは予想以上にきつい登りである。

山頂は小さな広場になっていて、休憩の東屋も建っている。
ここで昼食。


ここには釈迦如来像が立ち、脇侍に文殊、普賢菩薩が控える。

             
山頂の広場におわす釈迦如来


この頃から雲間から太陽が顔をのぞかせ、ぽかぽかと暖かくなってくる。

ひだまりや   観音様も   ひなたぼこ

木漏れ日を   笑顔で応える   羅漢様

羅漢山から麓の少林寺へと下る九十九折の山道には513体の五百羅漢が喜怒哀楽豊かな表情で並んでいる。

            
九十九折の山道には、さまざまなお顔の羅漢様が


相棒、曰く。
「どれひとつとして同じ表情はないということだよ。それと一心に尊顔を拝すると、亡くなった人の面影に似ている羅漢様がいらっしゃると言われてるみたいよ、試して見たら・・・」

マジになって、亡きおやじさんの面影を探してじっくりと尊顔を拝見した。

そして、そっくりとまではいかなかったが、おやじさんと母方の祖父に似た羅漢様を見出した。

羅漢様   慈悲のお顔は   父に似て

羅漢様   威厳の顔は   祖父に似て

羅漢様   赤い帽子は   藪椿

            
父の面影を宿す羅漢像

            
母方の祖父の面影を宿す羅漢像


少林寺~寄居駅~自宅

少林寺からは、寄居駅まで国道沿いにのんびりと歩く。
2時半駅に到着、3時半自宅に戻る。
愛犬の散歩の時間に悠々と間に合う。
近くて早く帰れる低山歩きの魅力を満喫した冬の1日であった。

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