世界にたった一つの桜
「櫻の科学(日本櫻学会編)」平成10年9月版誌上において世界に一つだけの新種とされたチョウショウインハタザクラ。
連載して来た『今年の花見』シリーズ、最終回は世界に一つのさくら『チョウショウインハタザクラ』である。
このさくらは、隣接する埼玉県志木市にあり、同市の天然記念物に指定されている。
見に行ったのは、週末の午後。
初夏を思わせる陽気に目的地の『長勝院跡』に行く柳瀬川の堤防はさくらを惜しむ人たちがそぞろ歩きを楽しんでいる。その人たちに風で舞い落ちるさくらの花びらが降って来て、まるで『花吹雪』の観を呈している。
この桜並木を6,7分歩いた右手に目指す長勝院跡がある。
この長勝院、ルーツは古るく、平安の末期まで辿るらしい。
そして、損朽が著しくなった昭和61年5月に寺が解体され、往時を偲ぶものはこの1本の老桜のみとなってしまったとのことである。
推定400年以上の老木・長勝院跡の旗桜
平成5年10 月6日に市の文化財に指定された。
平成15年4月1日市民の木に制定される
1週間前に訪れた時は、まだつぼみの状態であったが、この日はこの数日の暖かさで7,8分咲きで、まさに見頃を迎えていた。
ハタザクラの特徴
チョウショウインハタザクラはヤマザクラの変種だが、野生のヤマザクラと比較して次のような特徴がみられる。
枝はやや太く、花は大型で花弁は円形に近い広楕円形で、長さ2センチ弱にもなる。ほとんどが白色で時には先端に淡紅紫色を帯びる。蕾の時は白色で先端は淡紅紫色を帯びる。
他のさくらと同じく花弁は5枚であるが、かなりの頻度で6~7枚の花弁が見られる。正常の5枚以外のものは雄しべが花弁のように変化したもので、これが旗状になっており、『旗弁』と呼ばれ、ハタザクラの所以である。一輪の花の中に可憐なハタがゆれるのは、まことに優美で自然の妙に感激してしまうほどでソメイヨシノでは味わえない趣のある桜である。(以下略)
(同市のはたざくら保存会の作成したチラシより抜粋)
珍しいさくらを見に多くの人が来ていたが、ここにもボランテアの人がいて、花弁が6~7枚あるさくらを探して見てくださいねと親切に説明してくれていた。
そこで、何とか7枚の花弁のものをカメラに収めたいと目を皿のようにして探したのだが、6枚の花弁のものは、容易に見つかるのだが7枚の花弁のものはとうとう1枚も見つけることができなかった。
しかし、今年の花見のトリを世界にたった一つの桜=チョウショウインハタザクラで飾ることができて、この上なく満足であり、幸せであった。
瑞竜にもあるんですよ。
源義経が立ち寄って、旗を掲げたので花に旗が立ったとの言われがあります?
母親文庫の文集も「はた桜」でした。
瑞龍にもあるんですか、一度見てみたいですね。
これから咲くのでしたら、機会があれば写真を撮ってメールで送ってもらえるとありがたいです。
そちらにも古い言い伝えがあるのですね。
こちらにある言い伝えは、
その昔、美しい姫に一目惚れした在原業平が駆け落ちするという悲恋の物語を後世それを耳にした高僧が追善供養を営み、手向けとして挿した1本の杖が芽を出した。それがこの桜であると今に伝わっているそうです。
すみませんが
ハタザクラ
の
言い伝えは
創作のお話です
ちょっと勘違いする人がいて
問題であると
先日の
志木市文化財保護審議会
でも話題になりました
悪しからず