折々の記

日常生活の中でのさりげない出来事、情景などを写真と五・七・五ないしは五・七・五・七・七で綴るブログ。

呪われた昭和38年11月

2006-08-25 | 音楽
<今日の1枚>

ベートーヴェン 交響曲第3番変ホ長調作品55「英雄』
ウイルヘルム・フルトヴェングラー指揮
ウイーン・フィルハーモニー管弦楽団


昭和38年と言えば、小生の大学時代であるが、この年の11月に、ありうべからざる出来事が立て続けに発生した。

先ず、11月9日に「国鉄鶴見事故」が発生、当大学の学長三枝博音先生が、東京での学会の帰りに事故に巻き込まれて、亡くなられた。

当大学の「顔」とも言うべき哲学者で、こよなく学生に慕われ、尊敬されていた。

大学葬は体育館で執り行われ、ベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」の第2楽章「葬送行進曲」が重々しく流れる中、多くの学生に混じって小生も花を手向け、冥福を祈った。

それから2週間後の11月23日未明、「ケネディ米国大統領暗殺と言う衝撃的ニュースが世界を駆け巡った。

そのニュースは、下宿先のお寺の本堂でやっていた下宿仲間との徹夜麻雀が終わり、自室に戻り、「さあ、寝ようか」というタイミングに飛び込んできた。

眠気もすっ飛んで、ニュースを報じるラジオにかじりついた。
ショックと興奮で寝るどころではなかった。

時間が経ち、興奮も収まった時、哀悼の意をこめて、フルトヴェングラーがウイーンフィルを指揮した、ベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」の第2楽章「葬送行進曲」を聴いた。

まさに、昭和38年11月は、何かに呪われたとしか思えない月であった。

そして、月に2回も深い悲しみを持って、「葬送行進曲」を聴くことになるとは、思っても見なかった。


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