折々の記

日常生活の中でのさりげない出来事、情景などを写真と五・七・五ないしは五・七・五・七・七で綴るブログ。

「炎のコバケン」の面目躍如~第71回みなとみらいホリデー名曲シリーズ

2014-04-28 | 音楽
幼なじみたちと行くクラシックコンサート。

4月はU子ちゃんの地元、横浜に遠征してきた。

当地から横浜元町・中華街まで直通電車で行けるので、横浜が身近になった。

元町辺りをぶらぶらし、中華街で昼食をしてから今回の会場の横浜みなとみらいホールに向かう。

今回のプログラムは、小林研一郎指揮、読売日本交響楽団のチャイコフスキーの「ヴァイオリン協奏曲」と「交響曲第6番『悲愴』」。

以下は、いつものように会話風による感想である。

― チャイコフスキーは指揮者小林さんの「十八番」とあって、特に『悲愴』は、まさに「炎のコバケン」の面目躍如の感動的なコンサートだった。

― ヴァイオリン協奏曲も素晴らしい演奏でうっとりと聞き惚れてしまったけど、この曲の指揮と「悲愴」の指揮とでは我々素人が見ても明らかに指揮振りが違っていたよね。

― コンチエルトの方は、独奏者のサポートに徹するという、どちらかというと手堅い指揮ぶりだったよね。

― 「悲愴」になると一転、何ともエネルギュッシュな指揮振りで、トランス状態に入っているような指揮だった。

― 聴いていてグイグイと音楽の中に引き込まれてしまった。

― オーケストラの人たちも、指揮者に触発されて全精力を傾注すると言った類の演奏だった。


 指揮者とオーケストラが渾然一体となった、生演奏でしか味わうことのできない、それこそ「一期一会」の演奏だったんじゃないか。

― 楽章が進むにつれて、どんどん盛り上がっていく演奏に、鳥肌が立つ場面をそこかしこで体感した。

― 第4楽章が他の交響曲と比べると極めて異質だよね。

― この曲の初演からわずか9日後にチャイコフスキーは他界したとのこと、第4楽章を聞くとこの曲が作曲者にとってのレクイエムだったと痛感させられるよね。

― これまで生演奏で何回か「悲愴」を聴いたが、第4楽章をこんなに味わい深く聴かせてもらったのは初めてだった。

― 第1楽章から第4楽章まで緊張のしっぱなしで、聴き終って少々疲れたね。

― 確かに、しかし、充実した心地よい中の疲れと言った感じだよね。

― 演奏が終わって、指揮者の小林さん、そしてオーケストラの人たちから、完全燃焼した後の清々しさが伝わって来て、その姿を見て改めていい演奏会だったとの感を深くした。

 

第71回みなとみらいホリデー名曲シリーズプログラム


チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品35
チャイコフスキー 交響曲第6番ロ短調作品74<悲愴>

指揮 小林研一郎
ヴァイオリン アレクサンドラ・スム
演奏 読売日本交響楽団