折々の記

日常生活の中でのさりげない出来事、情景などを写真と五・七・五ないしは五・七・五・七・七で綴るブログ。

今年の『聴き始め』~清水和音『三大ピアノ協奏曲』の饗宴

2011-01-16 | 音楽
幼なじみのKくんと毎月行くことにしている『コンサートを楽しむ会』。

今年の聴き始めは、ピアニスト清水和音さんが弾く<『三大ピアノ協奏曲』の饗宴>と題するサントリーホールでのコンサート。

事前にKくんに『もう、われわれは<お年玉>はもらえないけど、自分自身にお年玉を上げたつもりでサントリーホールのS席を手配したから』と伝えておいたので、先ずは、そのS席の感想から二人のいつものコンサートの感想を始めたい。



今回のコンサートを聴いたのはこの写真より少し右、ピアノが真正面の角度だった。


― サントリーホールの2階席は、きみにとっては初めてだけど、どうだった?
― オーケストラのメンバー一人一人の動きが手に取るように見えて、興味津々。最高の席だったよ。病みつきになりそう。
― ここからだと演奏している楽員の顔の表情まで良く分かるよね。
― 出番を待つティンパニー奏者の緊張した表情、仕草などは、正面からではわからない。
― この場所で聴くのは、今回で2回目。最初の時は、この場所で大丈夫か、といささか不安だったけど、杞憂だった。音も正面席と変わらず、良く聴こえて言うことなしだね。
― ステレオの場合は、聴く場所を選ぶけど、コンサート会場は余り場所を選ばない。どこで聴いても素晴らしい。

― 演奏の感想は?
― チャイコフスキーは、君と何回か聴いてすっかり耳になじんだ感じ。ラフマニノフは、しっとりとした、心に沁み入るようなメロディーが印象的だった。
― ラフマニノフを生演奏で聴いたのは、今回が初めてだったが、大編成のオーケストラとピアノの火花を散らす掛け合いが迫力があって、聴き応えがあった。
― 聴衆の拍手も一番大きかった。
― ベートーヴェンはピアノが絢爛豪華でいかにもピアノが主役という印象だった。
― ピアニスト清水和音の面目躍如、渾身のベートーヴェンだった。
― 同じピアノ協奏曲でも、それぞれ特徴があって良かった。

― それにしても、1回のコンサートで3大ピアノ協奏曲を弾き切るんだから、すごいバイタリティだよね。
― 曲目からしてそうなんだけど、繊細さと豪快さを兼ね備えた素晴らしい演奏だった。

― 演奏が終わった後の拍手がものすごかったね。
― 我々余人には、うかがい知れないことだけど、あの万雷の拍手を浴びている時の演奏家の気持ちって、どうなんだろうね
― 平凡な言い方になってしまうけど、昂揚した気分の中、至福の時、演奏家冥利をとことん味わっている、と想像するけど。 
― 万雷の拍手の中、舞台の袖に向かって歩く姿に、『見たか、聴いたか』と『天下を取った』気分が溢れているように見えたね。
― 胸を張って、颯爽と引き上げて行く姿は、今までのどんな演奏家よりも格好良く見えた。
― 今年の『聴き始め』にふさわしいコンサートだった。




三大ピアノ協奏曲の饗宴 プログラム

演奏  ピアノ 清水和音
指揮  梅田俊明
管弦楽 東京フィルハーモニー管弦楽団

演目

1・チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番変ロ短調
2・ラフマニノフ   ピアノ協奏曲第2番ハ短調
3・ベートーヴェン  ピアノ協奏曲第5番変ホ長調『皇帝』