こんにちは。
当家の愛犬のパールです。
うちのおとうさんは、一度自分で決めた約束事は頑なに守る、所謂『ワンパターン』タイプの人です。
わたしとの散歩もそうです。
朝、夕、決まった時間に、決まった場所に出かけるのが、もう長い習慣になっています。
そんな、融通のきかないおとうさんが、気まぐれと言うのか何て言うのか、本当にたまにですが、自ら決めたルールを破ることがあります。
その日の夕方の散歩もそうでした。
いつもであれば、曲がる信号をその日は曲がらずに真っすぐにどんどん行きます。
『あれぇ、どこに行くんだろう』と期待していると、何だ、朝の散歩コースの黒目川遊歩道でした。
夕方の散歩の時、偶然に出会ったSさんと愛犬の『リュウ』くん。
少々、がっかりでしたが、何という偶然でしょう、前方から朝の散歩の帰り道に駅の近くで出会い、わたしに声をかけてくれて、全身を愛撫してくれる、わたしの大好きなSさんが犬を連れてこっちに歩いて来るのです。
おとうさんは、それにまだ気づきません。私は、嬉しくなって、リードをグイグイ引っ張りました。
そして、最初に気付いたのはSさんでした。
『わかったか、わかったか』 と言いながら、Sさんはいつものように優しくわたしの体をなでてくれました。
『服装が朝お会いする時と全然違うので、わかりませんでした。それに、まさかここでお会いするとは思ってもいませんでしたので・・・』
とおとうさん。
そして、二人の間で立ち話が始まりました。
お互いに思いがけない出会いにびっくり、それだけ話が弾み、長話になりました。
その間、わたしはSさんが連れていた今年5歳になる柴犬の「リュウ」くん(名前が「リュウ」であること、5歳であること、そして生まれたのがわたしと同じ9月であることなど、二人の立ち話での会話で知りました。)とじゃれ合っていました。
立ち話が済んで、歩き出すと何時も散歩中は黙って歩いているおとうさんが、『こんな所でSさんに会えるなんて、びっくりしたね、パール』と話しかけてきました。わたしは尻尾をふって、『そうですね』と応えました。
何とも刺激的なこの日の夕方の散歩でした。
でも、この日はおとうさんの気まぐれで、たまたまこの場所に来たのであって、これから先、夕方の散歩でここに来ることは、余りないだろうからきっと、もうSさんにもリュウくんにも会えないだろう、そう思うとちょっぴり寂しく、残念な気がしました。
この日の夕方の散歩、何時ものコースを変えたのは、ほんの思いつきに過ぎない。言って見れば気まぐれであるが、その気持ちを敢えて分析するならば、何時もと違ったことをすれば、ひょっとしたら、それによって何か変わったことがあるかも知れないという、埒もない夢想で、そんなことなど起ろうはずがないことはわかりきったことである。
だから、この日たまたまSさんに出会ったのは、それこそ、気まぐれと偶然がもたらした思わぬ副産物であったと言えよう。
Sさんは、駅の周辺の放置自転車の巡視をされている人で、朝の散歩の帰りにいつもパールに声をかけてくれ、首や頭をやさしくなでてくれる、気さくな人で、パールも駅に近づくとSさんを探して落ち着かない。そして、姿を見ると千切れるほどに尾を振って近づいて行く。すると、『わかったか、わかったか』と言ってパールを抱きしめてくれるのが常である。
『わかったか、わかったか』と言って頭をなでてくれるSさん。
これに味をしめ、きっと気まぐれの回数が増えるのは間違いないだろう。しかし、二匹目のドジョウは、そうそういるものではないということも、よくわかっているつもりの小生である。
当家の愛犬のパールです。
うちのおとうさんは、一度自分で決めた約束事は頑なに守る、所謂『ワンパターン』タイプの人です。
わたしとの散歩もそうです。
朝、夕、決まった時間に、決まった場所に出かけるのが、もう長い習慣になっています。
そんな、融通のきかないおとうさんが、気まぐれと言うのか何て言うのか、本当にたまにですが、自ら決めたルールを破ることがあります。
その日の夕方の散歩もそうでした。
いつもであれば、曲がる信号をその日は曲がらずに真っすぐにどんどん行きます。
『あれぇ、どこに行くんだろう』と期待していると、何だ、朝の散歩コースの黒目川遊歩道でした。
夕方の散歩の時、偶然に出会ったSさんと愛犬の『リュウ』くん。
少々、がっかりでしたが、何という偶然でしょう、前方から朝の散歩の帰り道に駅の近くで出会い、わたしに声をかけてくれて、全身を愛撫してくれる、わたしの大好きなSさんが犬を連れてこっちに歩いて来るのです。
おとうさんは、それにまだ気づきません。私は、嬉しくなって、リードをグイグイ引っ張りました。
そして、最初に気付いたのはSさんでした。
『わかったか、わかったか』 と言いながら、Sさんはいつものように優しくわたしの体をなでてくれました。
『服装が朝お会いする時と全然違うので、わかりませんでした。それに、まさかここでお会いするとは思ってもいませんでしたので・・・』
とおとうさん。
そして、二人の間で立ち話が始まりました。
お互いに思いがけない出会いにびっくり、それだけ話が弾み、長話になりました。
その間、わたしはSさんが連れていた今年5歳になる柴犬の「リュウ」くん(名前が「リュウ」であること、5歳であること、そして生まれたのがわたしと同じ9月であることなど、二人の立ち話での会話で知りました。)とじゃれ合っていました。
立ち話が済んで、歩き出すと何時も散歩中は黙って歩いているおとうさんが、『こんな所でSさんに会えるなんて、びっくりしたね、パール』と話しかけてきました。わたしは尻尾をふって、『そうですね』と応えました。
何とも刺激的なこの日の夕方の散歩でした。
でも、この日はおとうさんの気まぐれで、たまたまこの場所に来たのであって、これから先、夕方の散歩でここに来ることは、余りないだろうからきっと、もうSさんにもリュウくんにも会えないだろう、そう思うとちょっぴり寂しく、残念な気がしました。
この日の夕方の散歩、何時ものコースを変えたのは、ほんの思いつきに過ぎない。言って見れば気まぐれであるが、その気持ちを敢えて分析するならば、何時もと違ったことをすれば、ひょっとしたら、それによって何か変わったことがあるかも知れないという、埒もない夢想で、そんなことなど起ろうはずがないことはわかりきったことである。
だから、この日たまたまSさんに出会ったのは、それこそ、気まぐれと偶然がもたらした思わぬ副産物であったと言えよう。
Sさんは、駅の周辺の放置自転車の巡視をされている人で、朝の散歩の帰りにいつもパールに声をかけてくれ、首や頭をやさしくなでてくれる、気さくな人で、パールも駅に近づくとSさんを探して落ち着かない。そして、姿を見ると千切れるほどに尾を振って近づいて行く。すると、『わかったか、わかったか』と言ってパールを抱きしめてくれるのが常である。
『わかったか、わかったか』と言って頭をなでてくれるSさん。
これに味をしめ、きっと気まぐれの回数が増えるのは間違いないだろう。しかし、二匹目のドジョウは、そうそういるものではないということも、よくわかっているつもりの小生である。