上に伸びられずに真横に伸びた、全長わずか7センチほどのぺんぺん草
朝の愛犬パールとの散歩コース。
家に戻る途中で東上線に架かる陸橋がある。
いつものように2段上がりで階段を上がっていくと、丁度真正面の位置に階段のコンクリートのわずかな隙間に咲いているぺんぺん草を見つけた。
花粉がどこからか風にでも運ばれて来たのだろうが、そこは上に伸びる余地は全くなく、そのぺんぺん草は何と真横に茎を伸ばして咲いているのであった。
こんな場所でも精一杯生きようと頑張っているぺんぺん草のけなげな姿に『雑草魂』の真骨頂を見る思いで、心を動かされ、思わずカメラのシャッターを切っていた。
その真横に伸びたわずか7センチほどの小さな、小さなぺんぺん草が本日の主役である。
その姿を見て数日前、朝日新聞のコラム「ひと」欄に掲載されていた『65歳からの著書が130冊、なお書き続ける禅僧<松原泰道さん(100)>』の記事に書かれていた文章を思い浮かべた。
記事は、モットーは『生涯現役、臨終定年』。昨年11月に100歳になったと冒頭で人となりを紹介し、さらに次のようなコメントを載せていた。
よく見ればなずな花咲く垣根かな
芭蕉のこの句が好きだ。「ひっそりと咲くぺんぺん草。それに気づけば感動がある。凝視すれば、何かの真理を読み取ることもできるはず。こころの受信装置を敏感にしておきたいものです」 (以下略)
この言葉を思い起こさせてくれたその日の朝の散歩は、収穫の多い、そして清々しい気分にさせてくれた散歩となった。
この階段の下から3段目の所にぺんぺん草は生えている