折々の記

日常生活の中でのさりげない出来事、情景などを写真と五・七・五ないしは五・七・五・七・七で綴るブログ。

ビートルズ

2006-08-11 | 音楽

<今日の1枚>  (上)ザ・ビートルズ1 (下)ビートルズ・オン・コンチェルト

ビートルズが来日した1965年、小生は大学3年生であった。
当時、ガチガチのクラシック党であった小生は、頑なに彼らの音楽を拒絶するアンチ・ビートルズファンであった。

一方、弟は小生と違ってジャズやロックが大好きで、大のビートルズ・ファンであった。

ある時、その弟と音楽談義になった。
「兄貴は、一度でもビートルズの曲をちゃんと聴いたことあるの。一度も聴いていない人が、批判するのって、おかしくない。」

まさに、きつ~い一発だった。

その時を契機に、ビートルズを聴き始めたが、フルトヴェングラーのベートーヴェンや、マイルス・デイビスの「枯葉」を聴いた時のような、強烈な興奮は味わうことが出来なかった。

そんな小生が、柄にもなく息子が高校生の頃、誕生日のプレゼントにビートルズのベストアルバムのカセット・テープを贈ったことがある。

高校生にもなれば、ビートルズぐらいは聴くだろうと、プレゼントしたのだが、まさか、これが彼のビートルズの音楽への伝道役を果たすことになるとは、その時は夢にも思わなかった。

この間、息子の家に行ったら、CDラックの中にあの時小生が贈ったカセット・テープが、中央に鎮座していた。


まだ、大切にしてくれているんだ、と嬉しかった。
息子とは、一度だけビートルズの話をしたことがある。

その日、小生が羽田健太郎がビートルズ・ナンバーを古今のピアノ協奏曲の名作とドッキングさせた、「ビートルズ・オン・コンチェルト」のCDを聴いていると、息子が入ってきて、

「何、これビートルズなの?」と聞いてきた。
「ビートルズとピアノ協奏曲とをアレンジしたもので、結構気に入って最近良く聴いているんだ。ビートルズって、こんなに美しい曲だったんだと再認識したよ。」

「おれ、ピアノ協奏曲知らないから、何とも言えないけど、シンプルなオリジナルの方がいいな。」

彼の答えを聞いて、確かに、本物のビートルズ・ファンはこんな聴き方は、きっとしないのだろうなと、思ったことを、今懐かしく思い出している。