秋の豊穣を期待して田植えの準備が始まった。 この豊かな水は母なる大河利根川からはるばると流れてくる。
竜馬暗殺犯は誰か? 専門の歴史家の間でも諸説あり、我々一介の本読みなぞに真相が判るはずがない。 逆にはっきりしないだけに歴史小説好きには興味を引かれる。
この時代を背景にした小説はいろいろ読んだが、竜馬暗殺については私が知っている諸説にはこんなのがある。
① 新撰組の犯行 ② 幕府見廻り組の犯行 ③ 薩摩藩の刺客による犯行
今読んでいる浅田次郎 「一刀斎夢録」 では①新撰組副長助勤 齋藤一 が実行犯としている。 本によれば、齋藤一を数人の武士が後をつけていた。 齋藤左利きの居合いの達人であり、狭い室内で坂本並びに中岡を短時間で殺害するには刀を大上段に構えてというわけにはいかない。 そんなことをしても竜馬は北辰一刀流の達人(実際に人を切ったことはないようだが)、中岡もそれなりの剣の使い手、 反対にやられてしまう。
前日、竜馬と懇意な新撰組を脱退した伊藤甲子太郎と共に竜馬潜伏先を訪れて、齋藤を護衛につける話をしていた。 したがって当日齋藤が一人で竜馬を訪ねても、竜馬は不審には思わなかった。 そして二人に近づき、右手に下げた太刀(左利きなので右手で持っていた、すなわち殺意はないと相手は見た)。 得意の居合い剣で瞬時に二人を倒して潜伏先(近江屋)を去る。
その後につけていた数人の武士が二人に留めの一撃を加えたという。 この武士の中に見廻り組今井信郎がおり、事件後20年も経ってから自分がやったと名乗り出て②説が生じた。
そして③薩摩藩の犯行。 薩摩は飽くまで幕府を武力で倒すとしていた。 公武合体を理想の新政権(無血クーデター)と考える竜馬の存在は邪魔だった。 薩摩の剣術示現流の達人は何人もたいたが、政治的感覚に長けた薩摩は直接には手を下さなかったろう。
武力革命による武器弾薬の大量使用で利益を得ようと薩摩をそのように仕向けた一人といわれる英国人にグラバーがいる。 そして彼が属していた世界的な組織「フリーメイソン」という秘密結社の存在。 新撰組の一派にやらせたのは薩摩。 どうやらこれが真相のような気がする。 「フリーメイソン」は今でも連綿と続き、決して表には出ないが大きな影響力で世界を動かしているという。
生粋の薩摩隼人 大久保利通像(Web Siteより拝借)
多くの有能な人材が維新前後に暗殺されたり戦死した。 これらの中でもし生きていたら誰が時代に一番大きな影響を与えただろうか? 大久保利通 この人だろう。 写真で見ても当時としては(現代でも)日本人離れした風貌から意志の強さが伝わってくる。
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勉強不足で、幕末は大河ドラマ見てる程度ですね。八重の桜も見てますよ
即ち本の主人公「斎藤一」を逆に読むと「一刀斎」となりますでしょう。
作者の着想に感心しました。作品の中でのみ通用する名前です。
逆に「伊東一刀斎」なる人物は知りませんでした。