前へ、進むしかない人生である。過去は、もう取り戻せない。未来はまだ来ない。今を生きるのみの人間である。だが、過去をふりかえることは、無駄ではない。今をどう生きるかに関係する。何を得て、そこから、今の方針にどう反映させるかである。反省のない、ただただ、前を向いているだけでは、同じ過ちを繰り返す。それでは、あまりに、知恵がない。
同時に、未来への見通しを考えることも無意味ではない。仮説をたてる必要がある。微調整を繰り返しながら、ときには、現在において、大胆な方針変更をありうることを忘れてはならない。
そのようにして、現在を生きていく。視野は、狭い自己中心的なものではなく、可能なかぎり、広げなくてはならない。目先のことだけに煩わされるだけではなく、長期の見通しも必要である。そのことが、今の生活の質をあげ、豊かなものにする。
先送りでなく、展望を持ちつつ、生きていく。生きることに、もっと真剣にならなければならない。そのなかで、余分な力のはいっていないリラックス状態が体現されているべきである。難しい境地であるが、人生の醍醐味を味わえる必要条件であると思う。