ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『僕の彼女を紹介します』(byえいwithフォーン)

2004-10-08 23:56:20 | 新作映画
-----やっと、ゆっくり書けるにゃ。
「あ~、長かったなパソコンが戻ってくるまで。
まずは手始めに『僕カノ』から。
X-JAPANの「Tears」が使われているということもあって
センチメンタル路線を想像したんだけど、
前半は思いっきりコミカルでマンガチック。
東宝の60年代か、ハリウッドの50年代かというノー天気さ。
あまりのおふざけぶりに、だいじょうぶか、このままで…
と心配になったほどだね。
で、後半に入ると、今度はベタなまでのラブストーリー」。

----じゃあ。ノレなかったってワケ?
「いや、いくつか見るべきところはあったよ。
韓国映画初という、夜間の上空からの撮影。
これって東京の夜景以上の美しさだったね。
音楽は、そうだな。
予告でも使われていた『天国への扉』が冒頭から流れ、
あとはずっとミュージック・ビデオのテイストだったね。
韓国のラップからサティまで音楽がやまない時がほとんどない」。

----周囲の反応はどうだったの?
「これが驚くほどにいいんだ。
『小一時間、泣きっ放しだった』『大人のラブファンタジーですね』
なんてのはともかく、
『そう、きましたか』なんて言ってる人もいたね。
でも、それは言い過ぎ。
『そうきましたか」じゃなく『やはりそうきたな』でしょ。
この手のラブファンタジーって韓国映画の常道。
みんな、あんまり韓国映画観ていないのかなって、思ったね。
ジヒョンの出世作『イルマーレ』にしても、
すでに時空を超えたラブファンタジーだったんだし。
この程度、たいして驚くことでもないと思うんだけどな」。

----ところで中身に触れてないにゃ。
「う~ん、ネタバレになるからね。
でもこれは言っていいのかな。
結局『ゴースト/ニューヨークの幻』ソウル版だよ」。

----あっ、言っちゃった。

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『レディ・ジョーカー』(byえいwithフォーン)

2004-10-07 18:10:11 | 新作映画
----今日は話題の『レディ・ジョーカー』だね。
ありゃりゃ、浮かない顔しているにゃ。
「グリコ・森永事件を基にした
社会サスペンスということで注目していたんだけど、
期待が大きかった分、なんかノレなかったね。
監督は平山秀幸。
前作『OUT』でも、死体バラバラ殺人という事件の中に、
サラ金から介護に至るまで現代の日本が抱える問題を
いくつも織り込んでみせたわけだけど、
今回もアプローチとしては同じ。
“貧しさ”をキーワードに、
社会的に弱い立場にある者の存在に言及してゆく。
問題提起としてはうなずけるんだけど、
“社会”に力点を置いた分、
“サスペンス”としてのオモシロさに欠けていく」。

----よく分からないにゃ。もう少し具体的に言ってよ。
「この映画が描くのは某ビール会社社長の誘拐事件。
犯人たちはそれぞれ社会の片隅で不遇な中、生きている。
そんな彼らが協力しあって事件を起こすわけだ。
こういった話の映画化において、
“社会”を主軸におくには、
社長を誘拐した犯人像とその犯行理由をきちんと描かなくてはならない。
でも、それって犯人を全部見せるってことだろ。
それじゃあ“サスペンス”色が弱まってしまうよね」。

-----原作がそうなんじゃないの?
「う~ん、原作を読んでないから比べることはできないけど、
映画は映画だからね。
しかも事件を知った世間の反応がほとんど描かれてない。
彼らが出会った競馬場の風景ばかり映り、
映画に広がりがないんだね。
ビールに異物が混入されても
世間は昨日とまったく変わりないように見える。
“強者には彼らのことが本当には分かるはずはない”
という主張を押し出すためかも知れないけど…。
北の国の寒々とした描写から始まり、
それで終わることといい、
少なくとも正月にお屠蘇気分で観る映画ではないね。
サスペンスというより、
社会派問題作を観るという心構えで行った方がいいかも」。


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『スカイキャプテン-ワールド・オブ・トゥモロ-』(byえいwithフォーン)

2004-10-05 19:27:58 | 新作映画
----昨夜は遅かったにゃ。
例の『スカイキャプテン』だっけ?
「うん、なかなか楽しかったね。
お話は1939年のニューヨークから始まる。
無数の超巨大ロボットが突如街を襲い始め、
スカイキャプテンに出動命令が下る。
で、それと並行して科学者たちが次々と失踪。
スカイキャプテンはネパールのシャングリラ、
空中基地、海中、そして新種の怪獣がいる密林などで、
その秘密を追い、悪の陰謀と戦うというわけさ。
スカイキャプテンにはジュード・ロウ。
彼の恋人で特ダネを狙う新聞記者にグウィネス・パルトロウ。
そして、アンジェリーナ・ジョリーが
またまたアクション・ヒロインとして見せ場をさらっている」。

----監督のケリー・コンランって聞きなれない名だよね。
「うん、ぼくも知らなかった。
でも、彼は4年の歳月をかけて
自分のガレージで6分間の短編映像を作り、
それがハリウッドの目に止まったという現代の伝説。
その発展型と言われるこの映画には、
ヒッチコックやフィルム・ノワールを始めとする戦前モノクロ映画から、
秘境冒険映画、007映画、クラシックSF映画まで、
いろんな映画のビジョンがいっぱい」。

----ふうん、写真を見た限りでも
ノスタルジックな感じだね。
「おそらく監督が夢見た“未来都市ニューヨーク”のイメージなんだけど、
それってだれの心の中にもあるものじゃないかな。
ロボットのイメージは宮崎駿アニメとそっくりだし
グウィネスのファッション、表情も、
グレイス・ケリーやイングリッド・バーグマンを意識した感じで、
心の奥の映画的郷愁をくすぐってくれる。
そうそう、人物以外は全てCG。
ロケもセットもない中、
自分のイメージどおりの世界を作ったというわけだ」。

----今日はベタボメだね。
「だって、素直に楽しめたもの。
ケリー・コンランの次回作は
ロバート・ロドリゲスが降板した『火星のプリンセス』。
こちらも期待できそうだよ」。


『CEO 最高経営責任者』(byえいwithフォーン)

2004-10-04 19:41:59 | 新作映画
----あれあれ、まだ本文も書いていないのに、
間違って投稿してしまったにゃ。
これは急がなくては…だにゃ。
「そう、変な映画なんだ。
それでさっさと終わらせたいという心理が働いて
慌ててクリックしてしまったのかもね。
中国初の世界ブランド、ハイアール社。
この会社は先のアテネ・オリンピックでは
選手村で使用するエアコンを落札したほどのビッグな企業。
その会社がいかにして生まれて、世界に認められたかを
ただ、年代を追って描いている。
いわゆる企業成功物語だね。
だからと言って、
日本映画の『陽はまた昇る』みたいに、
個人の内面に入ることはなく、
“企業とはかくあるべし”というのばかりを押し出してくる」。

----ふうん。つまんなさそう。
「だろ?
しかもだよ。
最後には“中国人は立派だ”みたいな
メッセージが入り、
国家昂揚映画になってしまう。
つまり、このハイアールの成功の中にこそ、
これからの中国成功のカギがあり、
しかもそれはもともと中国人の本質であると、
黄河まで引き合いに出してくる。
ハイアールについては知らないことばかりだったので、
ある程度は興味を持って観てたけど、
このプロパガンダには、さすがに閉口したね。
で、また、これがなんでか分からないんだけど、
突然、叙情的なシーンが出てきたかと思うと、
村上春樹の詩が口ずさまれる。
いやあ、ほんとよく分からない映画だったね」。

----でも、そう言われると、
少し観たくなってきたにゃ。(笑)
でも、えいは夜は『スカイ・キャプテン』で口直しかな?

『舞台よりすてきな生活』(byえいwithフォーン)

2004-10-01 19:25:02 | 新作映画
----これもまた原題と全然違うね。
「そう、『HOW TO KILL YOUR NEIGHBOR’S DOG』。
でも邦題も意外とあってるかも。
ケネス・ブラナー演じる主人公ピーターは劇作家。
ところが、戯曲では子役がうまく描けなくスランプ中。
しかも妻からは子作りを迫られノイローゼ気味。
おまけに、隣の犬はうるさく鳴き、
自分の名を騙るストーカーまで現れる。
そんな中、
足に障害を持つ女の子を連れた隣人が引っ越してくる。
最初は彼らとの付き合いを避けていたピーター。
隣人の娘と、いやいや、ままごと遊びをするうちに
いつしか奇妙な友情が芽生えていく…というもの」。

----分かった。えいのいつもの言い方からして、
これは可もなく不可もなくだにゃ。
よくできてるけど、あまりにも破綻がなくつまらない。
「まあまあ、あせらないあせらない。
確かにそういうタイプの映画で
クスクス、そしてホロリのパターン。
でも先が読めるのもなかなかいいもの。
作る方もそれが分かってるみたい。
途中で『猿の惑星』のビデオを観るシーンがあって、
その一部を実際に映してみせるんだけど、
それが“ここしかない”というシーンだったものね」。

----あっ、あれね。初めてチャールトン・ヘストンが
喋るところ。
「そう、そのとおり(笑)。
でも、エンド・クレジットが始まってすぐに、
とんでもないことが起きるから、
これは見逃さないように。
こっちは絶対、読めないよ」。

----う~む、にゃんだろう?