ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『ハウルの動く城』(byえいwithフォーン)

2004-10-19 23:36:52 | 新作映画
------今日は待望の『ハウルの動く城』だね。
おやっ、なんだかすっきりしない顔してるな。
「うん。終わった後、知り合いに声かけられたけど、
彼もうつむいたまま。
前作『千と千尋の神隠し』のようなカタルシスがない」。

------そういえば、宮崎作品にしては周囲の盛り上がりもイマイチ。
「そうなんだよね。封切り前に余裕で完成したのも
最近の彼としては前例がないこと。
なんだか、映画自体も落ち着きがないと言うか、
何がやりたいのかよく見えない。
あいかわらず、キャラクターも含め、
イメージの奔流は凄まじいんだけど、
それがいたるところからあふれて、
取り留めがつかなくなったって感じかな」。

-----キムタクはどうだったのかにゃ。
「言われてるほどには気にならなかったね。
問題なのは倍賞千恵子の方。
おばあちゃんになったヒロイン、ソフィーはともかく、
少女ソフィーも全て彼女がやってるものだから、演劇的な感じ。
おまけに寅さんの妹さくらが浮かんでしまう。
あれは、無名の人を使った方がよかったんじゃないかな。
それと、イラク戦争と最近の世相が大きく影を落としている気もした。
セリフの端々にそれを意識させる言葉が出てくる。
『敵でも味方でも街を攻撃するのは…』みたいにね」。

-----ふうん。そうなると主人公の設定も難しいだろうにゃ。
「そうなんだ。
ハウルは自分が戦う理由を見い出せずに
それでも戦い続けては傷ついている。
で、ソフィーに出会ったことで
『君を守るため』と気づく。
しかし少女は『ハウルは弱いからいい』と言うんだ。
また、ハウルとソフィーは最初、荒地の魔女と戦ってたのに、
いつしか敵は別のものになっている…。
おそらくあれもこれも言おうとして
収拾がつかなくなったのでは?
でも、物語に整合性を求めず、
天才・宮崎駿のイメージを楽しみたいという向きには、
十分すぎる贅沢な映画だけどね」。


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