(原題:戒|色 Lust Caution)
----これは知ってるよ。
アン・リー監督の映画。
性描写がスゴいんだよね。
「うん。
でもけっこうボカしがはいってたからなあ。
これ、映画館で観たわけだけど
試写だったらどうだったんだろう」
-----でも、それだけだったら
いわゆるポルノと変わらないよね。
話題になるにはそれだけの理由があるんでしょ。
ヴェネツィアで金獅子賞に輝いたくらいだし。
「うん。じゃあ、まずお話を。
戦時中の日本占領下において
日本に協力し、抗日運動家を次々と死に至らしめている
特務機関の顔役イー(トニー・レオン)を暗殺するべく、
彼に近づく女スパイ、ウォン(タン・ウェイ)。
映画は、このふたりの逢瀬を
センセーショナルな映像で描いている」
-----それは、時代再現だけでも大変そうだ。
「うん。
40年代の上海、香港の街並が
息を飲むほど素晴らしい。
でも、それをさらに超えるのがタン・ウェイだね。
その美貌、そしてたたずまい。
彼女が街に立つだけで一枚の画となる。
その美しさで映画を牽引していくところは、
まるで40年代のハリウッド女優のよう。
もちろん、その背後にはアン・リーの
緻密に計算された演出があるのは間違いないけどね」
-----計算?
「うん。話だけ取り上げると、
これは古色蒼然としているよね。
ウォンがなぜ、そんなスパイとなったか?
それは彼女が惹かれた演劇青年クァン(ワン・リー)が
抗日という政治的姿勢を取っていて、
その彼に気に入られようと
身を呈して敵の懐に入るというもの。
それまで彼女が処女で、
人妻という設定との間に齟齬が生じるため
好きでもない男と経験を重ねるという、
とても辛いエピソードもあるけどね。
この映画が巧いなと思うのは、
イーをだれも信じたことがない男という設定にしているところ。
そんな彼だけに、観客は
ほんとうに彼がウォンを疑っていないのかと、
その一挙一動、表情の裏を読み解こうと
食い入るようにスクリーンを見つめることとなる。
そして、いくら任務とはいえ、
好きでもない男に抱かれるものなのか、
観客はウォンの表情をこちらもじっと凝視してしまう」
-----で、どっちだったの?
「そこなんだよね。
イーは、ウォンのことを
『美しすぎる』と言う。
最初の出会いですでに彼は彼女にその心を奪われてしまう」
----それって分かるシーン、あるの?
「麻雀。
イーが捨てた牌七筒をチーしようとするウォン。
しかし、これは別の人に優先権があるポンをされて
取られてしまう。
しかしこれによってイーが七筒が必要なことは
みんなに分かってしまう。
なのに、次の一巡でまたウォンは七筒を出す。
まあ、これは麻雀をヤル人なら分かるけど、
ありえないことだね」
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「ほんと、きれいな人だニャ」
日本に対してもチクリチクリあった度
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☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)
※画像は台湾・オフィシャル(ダウンロードサイト)より。
※ちょっとCM。けっこう凝ってるかも。
(画像のどこでもクリックしたら動画が観られます)
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----これは知ってるよ。
アン・リー監督の映画。
性描写がスゴいんだよね。
「うん。
でもけっこうボカしがはいってたからなあ。
これ、映画館で観たわけだけど
試写だったらどうだったんだろう」
-----でも、それだけだったら
いわゆるポルノと変わらないよね。
話題になるにはそれだけの理由があるんでしょ。
ヴェネツィアで金獅子賞に輝いたくらいだし。
「うん。じゃあ、まずお話を。
戦時中の日本占領下において
日本に協力し、抗日運動家を次々と死に至らしめている
特務機関の顔役イー(トニー・レオン)を暗殺するべく、
彼に近づく女スパイ、ウォン(タン・ウェイ)。
映画は、このふたりの逢瀬を
センセーショナルな映像で描いている」
-----それは、時代再現だけでも大変そうだ。
「うん。
40年代の上海、香港の街並が
息を飲むほど素晴らしい。
でも、それをさらに超えるのがタン・ウェイだね。
その美貌、そしてたたずまい。
彼女が街に立つだけで一枚の画となる。
その美しさで映画を牽引していくところは、
まるで40年代のハリウッド女優のよう。
もちろん、その背後にはアン・リーの
緻密に計算された演出があるのは間違いないけどね」
-----計算?
「うん。話だけ取り上げると、
これは古色蒼然としているよね。
ウォンがなぜ、そんなスパイとなったか?
それは彼女が惹かれた演劇青年クァン(ワン・リー)が
抗日という政治的姿勢を取っていて、
その彼に気に入られようと
身を呈して敵の懐に入るというもの。
それまで彼女が処女で、
人妻という設定との間に齟齬が生じるため
好きでもない男と経験を重ねるという、
とても辛いエピソードもあるけどね。
この映画が巧いなと思うのは、
イーをだれも信じたことがない男という設定にしているところ。
そんな彼だけに、観客は
ほんとうに彼がウォンを疑っていないのかと、
その一挙一動、表情の裏を読み解こうと
食い入るようにスクリーンを見つめることとなる。
そして、いくら任務とはいえ、
好きでもない男に抱かれるものなのか、
観客はウォンの表情をこちらもじっと凝視してしまう」
-----で、どっちだったの?
「そこなんだよね。
イーは、ウォンのことを
『美しすぎる』と言う。
最初の出会いですでに彼は彼女にその心を奪われてしまう」
----それって分かるシーン、あるの?
「麻雀。
イーが捨てた牌七筒をチーしようとするウォン。
しかし、これは別の人に優先権があるポンをされて
取られてしまう。
しかしこれによってイーが七筒が必要なことは
みんなに分かってしまう。
なのに、次の一巡でまたウォンは七筒を出す。
まあ、これは麻雀をヤル人なら分かるけど、
ありえないことだね」
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「ほんと、きれいな人だニャ」
日本に対してもチクリチクリあった度
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※画像は台湾・オフィシャル(ダウンロードサイト)より。
※ちょっとCM。けっこう凝ってるかも。
(画像のどこでもクリックしたら動画が観られます)
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仮面をかぶっての腹の探り合い。
相変わらずアン・リーの映画は一筋縄ではいかないです。
でも変な体位にはちょっと笑ってしまいました。
観ていて思ったのですが、
あの麻雀は、西洋の人にはよく分からなかったのでは?
チェスやオセロとは違いますし…。
あのアクロバティックな体位は、
サービス精神ですかね。
そんな体力、もうとっくにないなあ(笑)。
あ、ヤバいヤバい(爆)。
これ、ハマっちゃいました。
キャストも良かったし脚本もぐいぐい引き込まれてしまって、、、、
わたしはどうやらこういう悲しい結末も好きみたいです
細かい表情のやりとりなども印象的ですごく注目してしまいました。
いまのところ今年のいちばんです
気が早いけど(笑)
今年のベストとはスゴい!
ぼくは一ヶ月遅れで観に行きましたが、
同じくハマりました。
女スパイ映画は、
これまでにもいろいろありますが、
ヒロインが「演劇」をやっていたというのが
巧く生きていた気がします。
その表情も、虚か実か見分けがつかず、
それを確かめようと食い入るように見ていました。
ご指摘いただきました「鳩の糞」ではなく「卵」。
何故に「糞」になってしまったのか謎でお恥ずかしい(笑)
当初、イー夫人が「鳩の卵」大の指輪を旦那にねだったのに買ってもらえてないって
ちゃんと伏線ははってあったのに…。
これに懲りませず今後とも宜しくお願い致します。
いやいや、これは本気でそう思ったのでした。
というのも、ぼくは観ていて
鳩の卵の大きさを勘違い。
頭がこんがらがっていたのでした。
というか、あそこでなぜ比喩が「鳩」なんだ?(笑)
冒頭で、その宝石の話をしていて、
そこから後半のところに一気に繋がるという構成でしたね。
あっ、と気づいたときはすで遅し。
気を抜いて観ちゃいけないなと、瞬間、反省したものでした。
こちらこそ、よろしくお願いします。