ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『行きずりの街』

2010-10-16 23:57:58 | 新作映画
「今夜は『このミステリーがすごい!』について少し喋ってみるかな。
秋の夜長でもあるしね…」

----あれれ。そんな本読んでいないじゃニャい?
「あらら。バレたか。
いやなに、今日話す予定の『行きずりの街』というのが1990年の刊行。
ところが、大ブレイクしたのはそれから16年後の2006年。
なんでも文庫の帯で「92年このミステリーがすごい!第1位」と謳うや否や、
わずか1年で50万部近い売り上げを記録したんだって。
まあ、そういう話のレベル」

----へぇ~っ。その“このミス”なんとかって
そんなに効き目があるものニャの?
「だろうね。
ちょっと調べてみたんだけど、
この賞の一位に輝いた作品はほとんどが映画化されている。
『新宿鮫』『マークスの山』『ホワイトアウト』『不夜城』
『OUT』『レディ・ジョーカー』『模倣犯』『半落ち』
『容疑者Xの献身』『ゴールデンスランバー』
などがそう。
実は2002年からは新人作家の作品を募集した「このミステリーがすごい!大賞」というのもあって、
こちらの金賞、大賞からは『四日間の奇蹟』『チーム・バチスタの栄光』が映画化されている。
それだけ、ポピュラーな人気を誇っているということだろうね。
さて、今回、自分でこれはよかったなと思ったのは、
まったくプレスに目を通さなかったこと。
そのため、初めのうち、何が起こっているのかまったく分からない。
主人公は丹波篠山で塾講師をしている波多野(仲村トオル)。
その彼が、祖母が危篤に陥りながら連絡の取れない元教え子・ゆかり(南沢奈央)を探しに東京へ。
まずここで、なぜ彼がそこまでこのことに夢中になるか分からないし、
上京して、ゆかりが住んでいたマンションで
怪しい男(窪塚洋介)に追われるのも分からなければ、
彼女が働いていたクラブで彼を見かけた男にいきなり殴られるのも分からない。
で、どうやら波多野は過去に生徒となにやらスキャンダルを起こしているらしく、
その相手の女性というのが、
彼が駆け込んだバーのママ(小西真奈美)というのも、
ベールをはがすように、次第次第に分かってくるという作りになっている」

----おっとっと。じゃあ、それ以上は話さない方がいいんじゃニャい?
「そうなんだよね。
これは本来、ミステリー。
ところがプレスには懇切丁寧に波多野の過去が書いてある。
テレビ化もされたようだし、
すでに知っている人は仕方がないにしても、
これはミステリー映画の王道を行く作り。
あまり情報は仕入れない方がいいね」

----でも、それじゃああんまり…。
「だよね。
ということで見どころをいくつか。
ひとつは、久しぶりに窪塚洋介の狂気が垣間見えたこと。
もうひとつは、照明の渡辺三雄
阿吽の呼吸を見せる仙元誠三の影を意識した映像。
脚本の丸山昇一も含めて、
これは懐かしい村川透の世界。
製作の黒澤満はその線を狙ったんだろうね」


                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「監督の阪本順治もそれに応えているのニャ」身を乗り出す

※ハードボイルドだ度

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