-------今夜の映画は『アビエイター』。
ゴールデン・グローブ作品賞受賞作だね。
けっこう気に入ってたんじゃない?
「そうだね。この映画は映画監督でもあり、
飛行家でもあったハワード・ヒューズを描いたもの。
主演のディカプリオ念願の企画だったらしい」
-------ふうん。そうにゃんだ。
「さてところで、こういう伝記映画の場合、
作品の出来不出来は
その人物の捉え方いかんで決まってくる」
-------それってあたりまえじゃ?
監督がその人物に対して
自分の考えを語らない伝記映画なんて、ありえないでしょ?
「うん。ただ、ぼくがここで言いたいのは
その“捉え方”が“肯定でも否定でもいいんだよ”ってこと。
それが右だろうと左だろうと、善だろうと悪だろうと、
自分たちの概念のスケールでは収まりきらないからこそ、
映画はオモシロくなる。
極端に言えば、映画においては、それが、事実かどうか、
実際にあったかどうかなんてのは関係ない。
『そんなことあるわけないじゃない!』でもいいわけさ。
この人物なら、こんなことをしたかもしれない。
あるいはこう考えたかもしれない。
そのような監督による畏敬と批評の戦いこそが
伝記映画の魅力といえるわけだ」
-------ふうん。そんな紹介の仕方でいいの?
「だって考えてごらんよ。
この映画を紹介するとき、
ハワード・ヒューズという人がいて、
彼に莫大な遺産が入って、
本物の飛行機を使用した戦争映画を何年もかかって作り、
多くの女優と浮き名を流し、
一方では世界一速い飛行機作りに没頭し、
ついには飛行機会社を買収し、
政府やパンナムと戦う-----。
なんてのは、どこにでも書かれること。
でもそれに対して、日本人である僕らにはそれが本当かどうかなんて
彼とその時代に詳しくなければわかるはずもない。
そこでもしも誰かが『実際にはあのエピソードは嘘だとか、
あれは大袈裟だとか、あのエピソードが足りない』なんて
言い出したって始まらない」
-------それは分からないでもにゃいけど。
「ところが、いまの映画評って、
そういう観点から語られてることが多いんだ。
しかもその上で、その人物やイデオロギー、
あるいはその時代までを検証する-----。
これって映画の楽しさからはとても乖離してると思うな」
-------で、この映画はどうだったの?
「さすがマーティン・スコセッシ。
ハワード・ヒューズという桁外れの生き方をした人物を
その生命力、活力の満ち欠けまで、本当にいきいきと描いている。
しかもカメラワーク、編集、美術、音楽に至るまで、
まったく飽きさせることない。
演じるディカプリオも全力投入。
ぼくなんか『ジャイアンツ』のときのジェームズ・ディーンが
ダブったくらいだったよ」
-------それはあきらかに言いすぎじゃにゃいの?
また、物議を醸し出しそうだ。ん~、心配。
(byえいwithフォーン)
※眠気覚醒度
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ゴールデン・グローブ作品賞受賞作だね。
けっこう気に入ってたんじゃない?
「そうだね。この映画は映画監督でもあり、
飛行家でもあったハワード・ヒューズを描いたもの。
主演のディカプリオ念願の企画だったらしい」
-------ふうん。そうにゃんだ。
「さてところで、こういう伝記映画の場合、
作品の出来不出来は
その人物の捉え方いかんで決まってくる」
-------それってあたりまえじゃ?
監督がその人物に対して
自分の考えを語らない伝記映画なんて、ありえないでしょ?
「うん。ただ、ぼくがここで言いたいのは
その“捉え方”が“肯定でも否定でもいいんだよ”ってこと。
それが右だろうと左だろうと、善だろうと悪だろうと、
自分たちの概念のスケールでは収まりきらないからこそ、
映画はオモシロくなる。
極端に言えば、映画においては、それが、事実かどうか、
実際にあったかどうかなんてのは関係ない。
『そんなことあるわけないじゃない!』でもいいわけさ。
この人物なら、こんなことをしたかもしれない。
あるいはこう考えたかもしれない。
そのような監督による畏敬と批評の戦いこそが
伝記映画の魅力といえるわけだ」
-------ふうん。そんな紹介の仕方でいいの?
「だって考えてごらんよ。
この映画を紹介するとき、
ハワード・ヒューズという人がいて、
彼に莫大な遺産が入って、
本物の飛行機を使用した戦争映画を何年もかかって作り、
多くの女優と浮き名を流し、
一方では世界一速い飛行機作りに没頭し、
ついには飛行機会社を買収し、
政府やパンナムと戦う-----。
なんてのは、どこにでも書かれること。
でもそれに対して、日本人である僕らにはそれが本当かどうかなんて
彼とその時代に詳しくなければわかるはずもない。
そこでもしも誰かが『実際にはあのエピソードは嘘だとか、
あれは大袈裟だとか、あのエピソードが足りない』なんて
言い出したって始まらない」
-------それは分からないでもにゃいけど。
「ところが、いまの映画評って、
そういう観点から語られてることが多いんだ。
しかもその上で、その人物やイデオロギー、
あるいはその時代までを検証する-----。
これって映画の楽しさからはとても乖離してると思うな」
-------で、この映画はどうだったの?
「さすがマーティン・スコセッシ。
ハワード・ヒューズという桁外れの生き方をした人物を
その生命力、活力の満ち欠けまで、本当にいきいきと描いている。
しかもカメラワーク、編集、美術、音楽に至るまで、
まったく飽きさせることない。
演じるディカプリオも全力投入。
ぼくなんか『ジャイアンツ』のときのジェームズ・ディーンが
ダブったくらいだったよ」
-------それはあきらかに言いすぎじゃにゃいの?
また、物議を醸し出しそうだ。ん~、心配。
(byえいwithフォーン)
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ゴールデングローブ賞で3部門受賞だけにアカデミー賞も有力ですから、とりあえず楽しみにしてます。伝記ものってどうなんでしょうねぇ~
ディカプリオの意気込みは充分に伝わってくる
ものがありますね。
今回もこの後が気になります・・・。
もう、オスカーも取っちゃえ、って(苦笑)。
2時間49分という上映時間の長さにちゅうちょしてるんですけど、覚悟決めて見に行くかにゃ~。
アカデミー賞、けっこう伝記ものはきくと思いますよ。
ただ、このハワード・ヒューズがハリウッドの異端児だったことがどうかですが....。
でも古い時代の話だし、あまり関係ないかな。
>ツボヤキよりさん。はじめまして。
ディカプリオ、最初にいいなと思ったのは
『ギルバート・グレイプ』でした。
もともとは演技派志向だったと思います。
『タイタニック』はともかく『仮面の男』がなあ。
>ぴろきちさん。こんにちは。
2時間49分、長さは感じませんよ。
前作より楽しめると思います。
レオナルド・デカプリオはアイドル系の童顔だけど、本当は演技が上手いんだなと最近分かってた。「タイタニック」はその容姿で徳したけれど、今回はどうだろう?中年以降はちょっと辛いよね?
スコセッシとの組み合わせは「ギャング・オブ・ニューヨーク」で落胆したけど(反省したのか?)、今回は上々の出来なのでは?それにしても、広告で「ギャング~」と同じ組み合わせと言っているのは、逆効果に思うのだけど。あの映画みたいなのなら、観たくないのは私だけ?
全体的にはかなり良いできの良い映画。ちょっと長いけど観る価値あり!・・・ですよね!
特に『ギルバート・グレイプ』は最高でした。
本人は『タイタニック』に出たことを悔やんでいるようです。
(そこからイメージが抜け出せないと言うことのようです)。
アカデミー賞は『ミリオンダラー・ベイビー』にさらわれましたが、
この『アビエイター』はハリウッドの王道をいってる感じで好きです。
名作と言うよりウマク作ったなと言う感じ。
ディカプリオはガンバっているが、軽いんだよね~。
スコセッシ監督は巨匠でもないのに、巨匠ぶるなっつ~の!
昔のようにアクの強い演出をすると名作になったのに。 残念、残念、残念。
おそらく彼はこの映画で勝負に出たのでしょう。
正攻法で作ってもやれるところを
見せようとしたのではないでしょうか?
よく分りました。
この映画の評価がチョット変わりました。
次回作を楽しみにします!