ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『アビエイター』

2005-01-23 22:46:18 | 新作映画
-------今夜の映画は『アビエイター』。
ゴールデン・グローブ作品賞受賞作だね。
けっこう気に入ってたんじゃない?
「そうだね。この映画は映画監督でもあり、
飛行家でもあったハワード・ヒューズを描いたもの。
主演のディカプリオ念願の企画だったらしい」

-------ふうん。そうにゃんだ。
「さてところで、こういう伝記映画の場合、
作品の出来不出来は
その人物の捉え方いかんで決まってくる」

-------それってあたりまえじゃ?
監督がその人物に対して
自分の考えを語らない伝記映画なんて、ありえないでしょ?
「うん。ただ、ぼくがここで言いたいのは
その“捉え方”が“肯定でも否定でもいいんだよ”ってこと。
それが右だろうと左だろうと、善だろうと悪だろうと、
自分たちの概念のスケールでは収まりきらないからこそ、
映画はオモシロくなる。
極端に言えば、映画においては、それが、事実かどうか、
実際にあったかどうかなんてのは関係ない。
『そんなことあるわけないじゃない!』でもいいわけさ。
この人物なら、こんなことをしたかもしれない。
あるいはこう考えたかもしれない。
そのような監督による畏敬と批評の戦いこそが
伝記映画の魅力といえるわけだ」

-------ふうん。そんな紹介の仕方でいいの?
「だって考えてごらんよ。
この映画を紹介するとき、
ハワード・ヒューズという人がいて、
彼に莫大な遺産が入って、
本物の飛行機を使用した戦争映画を何年もかかって作り、
多くの女優と浮き名を流し、
一方では世界一速い飛行機作りに没頭し、
ついには飛行機会社を買収し、
政府やパンナムと戦う-----。
なんてのは、どこにでも書かれること。
でもそれに対して、日本人である僕らにはそれが本当かどうかなんて
彼とその時代に詳しくなければわかるはずもない。
そこでもしも誰かが『実際にはあのエピソードは嘘だとか、
あれは大袈裟だとか、あのエピソードが足りない』なんて
言い出したって始まらない」

-------それは分からないでもにゃいけど。
「ところが、いまの映画評って、
そういう観点から語られてることが多いんだ。
しかもその上で、その人物やイデオロギー、
あるいはその時代までを検証する-----。
これって映画の楽しさからはとても乖離してると思うな」

-------で、この映画はどうだったの?
「さすがマーティン・スコセッシ。
ハワード・ヒューズという桁外れの生き方をした人物を
その生命力、活力の満ち欠けまで、本当にいきいきと描いている。
しかもカメラワーク、編集、美術、音楽に至るまで、
まったく飽きさせることない。
演じるディカプリオも全力投入。
ぼくなんか『ジャイアンツ』のときのジェームズ・ディーンが
ダブったくらいだったよ」

-------それはあきらかに言いすぎじゃにゃいの?
また、物議を醸し出しそうだ。ん~、心配。
(byえいwithフォーン)

※眠気覚醒度

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11 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
アビエイター (kei)
2005-01-23 23:49:42
TBありがとうございました。

ゴールデングローブ賞で3部門受賞だけにアカデミー賞も有力ですから、とりあえず楽しみにしてます。伝記ものってどうなんでしょうねぇ~
返信する
Unknown (>ツボヤキより)
2005-01-24 02:39:39
どうもTBお世話になります!

ディカプリオの意気込みは充分に伝わってくる

ものがありますね。

今回もこの後が気になります・・・。

もう、オスカーも取っちゃえ、って(苦笑)。
返信する
Unknown (ぴろきち)
2005-01-24 14:29:36
TB、ありがとうございました。



2時間49分という上映時間の長さにちゅうちょしてるんですけど、覚悟決めて見に行くかにゃ~。

返信する
まとめレスで失礼します。 (えい)
2005-01-24 22:33:20
>keiさん。はじめまして。



アカデミー賞、けっこう伝記ものはきくと思いますよ。

ただ、このハワード・ヒューズがハリウッドの異端児だったことがどうかですが....。

でも古い時代の話だし、あまり関係ないかな。



>ツボヤキよりさん。はじめまして。



ディカプリオ、最初にいいなと思ったのは

『ギルバート・グレイプ』でした。

もともとは演技派志向だったと思います。

『タイタニック』はともかく『仮面の男』がなあ。



>ぴろきちさん。こんにちは。



2時間49分、長さは感じませんよ。

前作より楽しめると思います。
返信する
TBしました (ももママ)
2005-03-31 00:09:39
はじめまして!TBさせてもらいましたので、よろしくお願いします。



レオナルド・デカプリオはアイドル系の童顔だけど、本当は演技が上手いんだなと最近分かってた。「タイタニック」はその容姿で徳したけれど、今回はどうだろう?中年以降はちょっと辛いよね?



スコセッシとの組み合わせは「ギャング・オブ・ニューヨーク」で落胆したけど(反省したのか?)、今回は上々の出来なのでは?それにしても、広告で「ギャング~」と同じ組み合わせと言っているのは、逆効果に思うのだけど。あの映画みたいなのなら、観たくないのは私だけ?



全体的にはかなり良いできの良い映画。ちょっと長いけど観る価値あり!・・・ですよね!
返信する
レオナルド・ディカプリオ (えい)
2005-03-31 23:51:39
ぼくもディカプリオの演技は上手い方だと思っています。

特に『ギルバート・グレイプ』は最高でした。

本人は『タイタニック』に出たことを悔やんでいるようです。

(そこからイメージが抜け出せないと言うことのようです)。

アカデミー賞は『ミリオンダラー・ベイビー』にさらわれましたが、

この『アビエイター』はハリウッドの王道をいってる感じで好きです。
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ちょっとモノ足りない! (がちょ~ん)
2005-04-27 09:49:54
上映時間の長さは気にならなかった。

名作と言うよりウマク作ったなと言う感じ。

ディカプリオはガンバっているが、軽いんだよね~。

スコセッシ監督は巨匠でもないのに、巨匠ぶるなっつ~の!

昔のようにアクの強い演出をすると名作になったのに。  残念、残念、残念。
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スコセッシ (えい)
2005-04-27 18:12:43
>昔のようにアクの強い演出をすると名作になったのに



おそらく彼はこの映画で勝負に出たのでしょう。

正攻法で作ってもやれるところを

見せようとしたのではないでしょうか?
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なるほど! (がちょ~ん)
2005-04-28 07:13:01
>管理人さん

よく分りました。

この映画の評価がチョット変わりました。

次回作を楽しみにします!
返信する
TB返し&コメントありがとうございました。 (井上チカ)
2005-10-07 11:23:33
ディカプリオのきめ細かい演技はとても良かったと思いますよ。しかし残念でしたね、アカデミー賞。今度はこれを上回る演技で賞を取って欲しいです。

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