ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『シャーロック・ホームズ』

2010-02-04 19:07:55 | 新作映画
(原題:Sherlock Holmes)

※熱狂的なホームズ・ファンというわけではありません。
※普通に子どもの頃、読んだ程度ですので、
原作ファンの方は、間違いがあったら教えていただけると幸いです。




----あれっ。観る前は、あんなに危惧していたのに、
意外と気にいっているみたいだね。
確か、予告の段階ではシャーロック・ホームズらしくないって、
そう言っていなかった?。
「うん。ロバート・ダウニーJr. がホームズというのもさることながら、
最初に流れた予告の最後で、
彼がホテルで裸になっていて、メイドがキャッ。
こんなお色気シーンは、子どもの頃読んで知ったホームズっぽくないし、
アクションに次ぐアクションが、
あまりにも現代の観客を意識しすぎているのではないかと…」

----そういえば鳥打帽をかぶっていないね?
「そうなんだ。製作サイドは
この鳥打帽を“悪名高い”とまで言う。
というのも、この鳥打帽はコナン・ドイルの小説に書かれているのではなく、
初期の挿絵から広がったものなのだそうな」

----へぇ~っ。それは初耳。
監督はガイ・リッチーだっけ。
そうとうなホームズのファンなんだね。
「そういうことのようだね。
それだけにこれまで知らなかったことがいっぱい。
ホームズを熟練の武道家としていて、
労働者階級が集うパブの
パンチボウルで相手をノックアウト。
しかも観客を納得させるために
相手の特徴を即座に見抜き、
パンチを繰り出す順番を計算するという、
その思考過程を映像とモノローグで見せる。
ジュード・ロウ演じるワトソンにしても、
原作のイメージよりも、はるかにタフ。
こちらは復員兵ということもあり、
その戦いは接近戦で荒っぽい。
つまり、ふたりを対称的に描くことはこれまでと同じながらも、
その対称性を変えたって感じかな。
しかもホームズがワトソンを必要としていることは、
より強調されていて、
ワトソンの結婚相手メアリーを怒らせるようなことばかりズバリ言う。
結婚されることで推理のパートナーを取られてしまうってわけだね。
このメアリーをケリー・ライリーが演じているんだけど、
一見、悪女風に見せるところも、巧いと言えば巧い」

----ヒロインの方を演じているのは今人気の
レイチェル・マクアダムスだよね。
「そうだね。彼女の立ち位置がなかなか見えないところも、
観客をイラつかせて効果的かな。
さてここで少し映画の内容を…。
連続女性殺人事件の犯人ブラックウッド卿がホームズたちの活躍で死刑に。
この死はワトソンが確認したにもかかわらず、
なぜかブラックウッドは復活を遂げ、ロンドンを再び恐怖に陥れる。
そこでホームズが再び立ち上がる……というもの。
死者の復活という、もっともあり得ない設定、
しかもワトソンも確認というところが
ストーリーボードとしては、これまた巧い。
あと、『007』シリーズのジョーズ(リチャード・キール)を意識したような
大男ドレジャー(ロベール・マイレ)の使い方もね。
でも、この映画、最大の見どころは
ぼくは美術だと思う。
19世紀末のロンドンの猥雑さから生まれる熱気。
クライマックスはまだ建設途中のタワーブリッジでの格闘。
そこからの眺望なんて、
いくらCGIが使われていようと、やはりこれは嬉しいプレゼント。
絵的なこだわりで、捕逸すれば、カラス。
冒頭から、何度も重要なシーンでカラスを映像に挟み込んで
アクセントを作ってくる。
こういうこだわりは、ぼくは好きだね。
ロケだけに頼っていない」

----そういえば、先日発表されたアカデミー賞でも
作曲賞(ハンス・ジマー)に並んで
美術賞にノミネートされていたっけ。
で、肝心の謎解きはどうだったの?
「そこなんだよね(汗)。
この映画で、ぼくがやられたなって思うのは…。
実を言うと、謎の行方なんか忘れて、
そのときそのときの展開を楽しんでしまった。
でも、最後にホームズはちゃんと謎を解く。
しかも、彼の観察力がいかに優れているかを証明する形でね。
ポイントの一つは、途中に出てくる怪しげな実験室。
ここで彼が見たものが、すべて謎解きに繋がっている。
まあ、これは脚本で最初から作っていけばいい世界ではあるけどね」


         (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「意外な誉め方だニャあ」身を乗り出す

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25 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
もうご覧になったのですね~ (小米花)
2010-02-07 21:28:20
私はロバート・ダウニーJr. のファンなので、
楽しみにしているんですよ。
3月にならないと見られないので、待ち遠しいです。
返信する
■小米花さん (えい)
2010-02-07 21:45:53
こんばんは。
コメントありがとうございます。
思うのですが、ロバート・ダウニーJr.って、
どんどんよくなっている気がします。
ハリウッド俳優には珍しいポジショニングにいるし、
これからが楽しみです。
返信する
真のホームズ (まるねこ)
2010-02-11 11:01:34
と世界各国で絶賛されたジェレミー・ブレッド
以外、
私は違和感を覚えそうです(^^;
でも観たい気持ちが勝ってます(^^)

(機会があったら、是非この本格ドラマを観てほしいです)

ホームズは昔から本人以外に子孫だったり、
本人が冷凍保存されていて現代に蘇ったりと、
本当に好かれているキャラクターですね。
返信する
間違えました (まるねこ)
2010-02-11 11:02:47
間違えて投稿してしまいました。

昔からいろいろなスタイルで映画化されてますね~と書きたかったんです。
返信する
こんばんは☆彡 (ひろちゃん)
2010-02-12 21:48:50
わ~~えいさん、もうご覧になったんですね~
今回は(PBEは、イマイチの感想でしたので・笑)かなりの好感触!カエルちゃんも3つあるので、ますます楽しみになりました!

コナンドイルは大好きで、シャーロックホームズは小説も読んでましたし、TVシリーズも観ていました^^大好きなシャーロックホームズをこれまた大好きなロバートが演じてくれるのですから、楽しみでなりません♪

くわえて、ワトソンにジュードロウ(カッコよ過ぎない?と思いましたが・笑)、悪役の
マークストロングも好きな役者さんですし、
レイチェルも好きなので、好き好き印のこの
作品楽しみでしたが、えいさんの感想読ませて頂いて、さらにテンションあがりました\(^O^)/鑑賞後に、またお伺い致します(^_-)-☆
返信する
軽快なおしゃべり (ノルウェーまだ~む)
2010-02-14 09:13:15
えいさん、こんばんは☆
新しいタイプのホームズが、多少違和感ありますが、すごく新鮮でもありましたね。
ワトソンとの軽快なおしゃべりが、きっと推理とともにキーワードなんだと思いますが、残念ながら英語では完璧?な私でした。
魅力的な主役ふたりで、これからもシリーズ化してほしいですね。
返信する
■まるねこさん (えい)
2010-02-14 19:17:52
こんばんは。

お返事が大変遅くなりました。
ホームズは、ほんとうにいろんなアプローチがなされていますよね。
あの江戸川コナンだってその一種。
日本人好みのキャラクターかもしれませんね。
そのTVシリーズ。
ぼくも観てみたいです。
返信する
■ひろちゃんさん (えい)
2010-02-14 21:17:39
こんばんは。

ぼくはこの監督とは相性良くないのですが、
初めて、楽しめましたね。
自分がウェルメイドな娯楽映画が好きだからでしょうか?
ジュード・ロウのワトソンも、
合っていないという予想を覆し、
なるほど、こういうアプローチもありなのかと
感心しました。
返信する
■ノルウェーまだ~むさん (えい)
2010-02-14 21:41:17
こんばんは。
まだ~むさんは、あちらでご覧になったんですよね。
この映画、エンターテイメント・ムービーのど真ん中といった感じ。
もし、公開されてあたると嬉しくなります。
シリーズ化されるといいなあ。
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いいコンビネーション♪ (にゃんこ)
2010-03-06 00:09:48
えいさんとフォーンじゃないけど、ホームズとワトソンのコンビネーションが
すっごくよかったなって思いながら鑑賞してました。
ガイ・リッチー監督の作品って、デコボココンビが主役で
いろいろな人物が交錯して最後に意外なオチがあって
そんな描き方してるとこが好きなのですが
今回はビジュアル的にOKなコンビが楽しい掛け合い見せてくれたのが
楽しい作品でした。
あとは、鴉が絶妙な効果でカァと鳴く(笑)
ちょっとホームズというキャラの印象の好感度がアップしてます。
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