「今夜はしっとりといくからね…」
-----そうか、原田芳雄が亡くなっちゃったんだよね。
「うん。実は『大鹿村騒動記』を観に行った時、
ある人から『これは、原田芳雄の最後の作品』と聞かされて、
えっ?と問い返したことが…。
その人の話によると、癌が再発したのだとか…。
映画を観た後にぼくはそれを知ったわけだけど、
この映画、原田芳雄久々の主演ということもあり、
彼は役を喜々として演じている感が。
で、印象に残ったのが、
エンドクレジットに写される彼のスナップ的写真。
それがあまりにもよくって、
これは阪本順治監督の彼への愛だなと…。
映画には、それこそ大御所がずらり顔を揃えていて、
もしかしたら、クランクイン前から
その遠くはないであろう死を察した友人たちが
大挙、友情出演したのかなとも…」
-----ふうん。
ところで、えいの原田芳雄との出会いは?
「これはね。脇も脇、
ほんの1,2シーンしか出演していない、
『八月の濡れた砂』の神父役。
ちょっとコミカルな彼の演技がとても印象的で、
順序を逆にして、後で観た『野良猫ロック・暴走集団’71』で、
その強烈な個性に完全に虜となってしまった。
この映画は、『野良猫ロック』シリーズの掉尾を飾る作品。
主人公たちは新宿にたむろするヒッピー。
原田芳雄はドテラ姿。
これも後で知ったんだけど、
この映画は、正月映画として公開。
それにドテラはないだろうと、当時の日活の上層部は怒り心頭だったらしい」
-----その頃から、反権力、反体制のイメージが
出来上がっていたってわけだね。
「そうだね。
フォーンは彼が阪本竜馬を演じているのを知っているかな。
黒木和雄監督の『竜馬暗殺』には、
彼のほかに松田優作、石橋蓮司、桃井かおり、中川梨絵らが出演。
この映画は、ストーリーよりもその“言葉”がオモシロい。
まるで当時の学生のような政治的な会話が交わされるんだ」
-----へぇ~っ。でも、えいのおススメは
『祭りの準備』だったよね。
「そう。個人的にはこれが一番。
市国の閉塞的な海辺の町に
がんじがらめになっている主人公・楯男。
彼がラスト、ついにこの街から逃げだし、
東京へ向う時に見せた原田芳雄の演技は、
数ある彼の名シーンの中でもベスト!
両手を挙げて『バンザイ、バンザイ、バンザイ』と、
走り去る列車をどこまでも追いかけていく。
底にかぶさる松村禎三のテーマ曲。
あの高揚感こそ映画だね」
-----他には?
「若松孝二『われに撃つ用意あり』だね。
原田芳雄演じる主人公・郷田は元全共闘。
その元同志・李津子を桃井かおりが演じる。
ふたりは、ラスト、
ヤクザと警察を向うに激しい銃撃戦を繰り広げるんだ。
あの時代の熱い心は失っていない、
そんな気概が感じられる映画だったね。
最近では『亡国のイージス』で総理大臣まで演じ、
その意外なキャスティングに、心底驚いたものだけど、
彼にはやはりこういう役が似合う。
もちろん『歩いても歩いても』のおじいさんもいいけどね。
しかしなあ…」
-----ニャに?
「昔、『新宿アウトローぶっ飛ばせ』を
文芸地下で観たとき、
ある友人がこう言ったんだ。
『横浜の港のシーン。
従来からのスターであった
渡哲也からのバトンタッチを
見たみたいだ』って…(実際は原田芳雄が一つ上)。
まさか、その原田芳雄が先に逝くとは…。
ほんとうに、ひとつの時代が終わった気がする。
松田優作は、彼の一挙手一投足を研究し、模倣したとか。
そして、その松田優作は原田芳雄より先に逝き、
原田芳雄の家の神棚には、
藤田敏八監督と松田優作の遺影が飾ってあったという。
なんと言っていいのか、ほんとやりきれないね」
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「ご冥福をお祈りします」
※たくさん喋ったけど、まだまだ喋りたりない度
こちらのお花屋さんもよろしく。
こちらは噂のtwitter。
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-----そうか、原田芳雄が亡くなっちゃったんだよね。
「うん。実は『大鹿村騒動記』を観に行った時、
ある人から『これは、原田芳雄の最後の作品』と聞かされて、
えっ?と問い返したことが…。
その人の話によると、癌が再発したのだとか…。
映画を観た後にぼくはそれを知ったわけだけど、
この映画、原田芳雄久々の主演ということもあり、
彼は役を喜々として演じている感が。
で、印象に残ったのが、
エンドクレジットに写される彼のスナップ的写真。
それがあまりにもよくって、
これは阪本順治監督の彼への愛だなと…。
映画には、それこそ大御所がずらり顔を揃えていて、
もしかしたら、クランクイン前から
その遠くはないであろう死を察した友人たちが
大挙、友情出演したのかなとも…」
-----ふうん。
ところで、えいの原田芳雄との出会いは?
「これはね。脇も脇、
ほんの1,2シーンしか出演していない、
『八月の濡れた砂』の神父役。
ちょっとコミカルな彼の演技がとても印象的で、
順序を逆にして、後で観た『野良猫ロック・暴走集団’71』で、
その強烈な個性に完全に虜となってしまった。
この映画は、『野良猫ロック』シリーズの掉尾を飾る作品。
主人公たちは新宿にたむろするヒッピー。
原田芳雄はドテラ姿。
これも後で知ったんだけど、
この映画は、正月映画として公開。
それにドテラはないだろうと、当時の日活の上層部は怒り心頭だったらしい」
-----その頃から、反権力、反体制のイメージが
出来上がっていたってわけだね。
「そうだね。
フォーンは彼が阪本竜馬を演じているのを知っているかな。
黒木和雄監督の『竜馬暗殺』には、
彼のほかに松田優作、石橋蓮司、桃井かおり、中川梨絵らが出演。
この映画は、ストーリーよりもその“言葉”がオモシロい。
まるで当時の学生のような政治的な会話が交わされるんだ」
-----へぇ~っ。でも、えいのおススメは
『祭りの準備』だったよね。
「そう。個人的にはこれが一番。
市国の閉塞的な海辺の町に
がんじがらめになっている主人公・楯男。
彼がラスト、ついにこの街から逃げだし、
東京へ向う時に見せた原田芳雄の演技は、
数ある彼の名シーンの中でもベスト!
両手を挙げて『バンザイ、バンザイ、バンザイ』と、
走り去る列車をどこまでも追いかけていく。
底にかぶさる松村禎三のテーマ曲。
あの高揚感こそ映画だね」
-----他には?
「若松孝二『われに撃つ用意あり』だね。
原田芳雄演じる主人公・郷田は元全共闘。
その元同志・李津子を桃井かおりが演じる。
ふたりは、ラスト、
ヤクザと警察を向うに激しい銃撃戦を繰り広げるんだ。
あの時代の熱い心は失っていない、
そんな気概が感じられる映画だったね。
最近では『亡国のイージス』で総理大臣まで演じ、
その意外なキャスティングに、心底驚いたものだけど、
彼にはやはりこういう役が似合う。
もちろん『歩いても歩いても』のおじいさんもいいけどね。
しかしなあ…」
-----ニャに?
「昔、『新宿アウトローぶっ飛ばせ』を
文芸地下で観たとき、
ある友人がこう言ったんだ。
『横浜の港のシーン。
従来からのスターであった
渡哲也からのバトンタッチを
見たみたいだ』って…(実際は原田芳雄が一つ上)。
まさか、その原田芳雄が先に逝くとは…。
ほんとうに、ひとつの時代が終わった気がする。
松田優作は、彼の一挙手一投足を研究し、模倣したとか。
そして、その松田優作は原田芳雄より先に逝き、
原田芳雄の家の神棚には、
藤田敏八監督と松田優作の遺影が飾ってあったという。
なんと言っていいのか、ほんとやりきれないね」
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「ご冥福をお祈りします」
※たくさん喋ったけど、まだまだ喋りたりない度
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平日最終回ということでそれほど混んではいなかったけど、本編終了と同時に拍手が巻き起こりました。
まるで今日を予期していたかのごとく、原田さんの実にいい顔がスクリーン一杯にアップになるんですよね。ラストシーンなんか笑えるはずなのにでも涙が止まらなかったです。
本当にいい俳優でした。ご冥福をお祈りします。
涙が止まらなかったとのお気持ち、
痛いほど分かります。
ぼくはこの映画を観ているとき、
“最後の作品”ということを知らなかったので、
後で知らされても
半分、本気にしていなかったところがありました。
それでも、あのエンドクレジットのアップのショットは
胸に迫りました。
監督の原田芳雄への思いを感じずにはいられませんでした。
改めてご冥福をお祈りいたします。
『ツィゴイネルワイゼン』では役者・藤田敏八に対して原田が遠慮したのか、いつもの精細がありませんでしたし、『竜馬暗殺』の松田優作は原田芳雄の前で借りてきた猫のようだった印象があります。原田芳雄の藤田敏八への畏敬、松田優作の原田への畏敬がそうさせたんでしょうか。いずれにしても、若いころ親しんだ彼らがいなくなる……。悲しいです。
あれは正に“映画”ですよねえ。
年末の餅つき会にお邪魔して、ご本人にちょっとだけお会いした事がありますが、アウトローっぽいイメージとは逆に、とても楽しい人でした。
いつか映画の仕事でご一緒したかった。
本当に残念です。
そうそう。おっしゃるとおり。
『ツィゴイネルワイゼン』は敏八のイメージ。
逆に『竜馬暗殺』は原田芳雄が貫録勝ちでした。
この2作は、その意味でも印象深いですね。
ほとんど、こちらのちら見でしたが…。
映画で好きなのは、やはり『祭りの準備』。
地元に自分は残りながら
より若い世代の旅立ちを見送る彼の姿が
ある意味、いまでは切なく思われます。
原田芳雄自身は、出演作の中で
どれがお気に入りかか、こっそり聞いてみたいです。
おそらく
「何バカぬかすか!」と言われるんでしょうけど…。
先月、『LOVE Cinemas 調布』にリンクがある全てのブログに、
コピーでコメントを投稿いたしました。
その後KLY氏は、当方のコメントやトラックバックを認めるどころか、
アクセスを拒否するという反応に出ました。
なので、その節はこちらに多大な御迷惑をお掛けしましたが、
今のところ苦情は一件も寄せられていないので、
本日も同様の行動を取らせていただきます。
さて今回の続篇では、KLY氏が余所のブログに投稿したコメントを中心に、
映画ブログ界におけるコメント欄のあり方を検証しました。
不躾きわまるお願いではありますが、御一読いただければ幸いです。
虚妄の映画ブログ界 ―― KLYと賢者のコメント
ttp://nearfuture8.blog45.fc2.com/blog-entry-656.html
↓こちらは前回も紹介した、「擁護する」シリーズです。
ttp://nearfuture8.blog45.fc2.com/blog-category-20.html
今回も誠に勝手ではありますが、このコメントに対する苦情は、
当方のブログのコメント欄では受けつけません。
何か御用件がありましたら、メールでお願いいたします。
それでは、無用に騒がせたことをお詫びしつつ、失礼させていただきます。