--------『パッチギ!』とはまた不思議なタイトルだにゃ。
これは井筒監督の映画だよね。
「うん、もうこれは彼の最高傑作。
68年に生きた若者の青春を
現代にまで影を落としている朝鮮問題と絡めて描き、
娯楽性と社会性がみごとなまでに融和。
<これぞ映画>って感じだね」。
--------『69 sixty-nine』も同じ時代を描いて話題になった作品だよね。
「実はぼくは、あの映画には不満があるんだ。
『69 sixty-nine』は普遍性があるとかと言われ、評価は高いけど、
だったら、あのタイトルは意味がない。
いくら村上龍の原作がそうだからと言っても、
『69 sixty-nine』のタイトルを使う以上、
時代を描いてなくては意味がないと思う。
あの時代固有の言葉も、
若い俳優たちが意味も分からないまま使ってるとしか思えず、
単なる記号と化していた。
やはりあの時代を知る人が描かなくてはダメなのでは...
と思ってたところに、この映画」。
---------にゃるほどね。だからよけいに嬉しかったんだ。
「そうなんだ。この『パッチギ!』には、
あの『69 sixty-nine』にはないもの、
<時代の空気>がある。
映画は、日本の高校生と在日朝鮮の高校生との衝突を背景にしている。
その中で芽生える両者の男女の愛、
それは必然的に「ロミオとジュリエット」的な色合いを帯びていく。
で、それをダンスに置き換えると
『ウエスト・サイド物語』になるわけだけど、
ここでは当時放送中止となった「イムジン河」、
つまり唄がその代わりを果たしているんだ。
この唄は南北を分断してる38度線を流れる河のことを歌ってるんだけれど、
クライマックスで朝鮮と日本の高校生が
『けんかえれじい』ばりの大乱闘を繰り広げるシーンや
主人公の高校生、いわゆるロミオがジュリエットのところへ泳いで向かうシーンでも
両者の間に河を挟むことで、この唄と映画をリンクさせている。
大友康平扮するラジオディレクターの
「歌っていけない唄なんてない」もいい言葉。
終わってプレスを見ると、「世界は、愛で変えられる」のコピー。
反戦を訴え続けている井筒監督らしいメッセージがいっぱい詰まっている映画だね」。
※感涙度
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これは井筒監督の映画だよね。
「うん、もうこれは彼の最高傑作。
68年に生きた若者の青春を
現代にまで影を落としている朝鮮問題と絡めて描き、
娯楽性と社会性がみごとなまでに融和。
<これぞ映画>って感じだね」。
--------『69 sixty-nine』も同じ時代を描いて話題になった作品だよね。
「実はぼくは、あの映画には不満があるんだ。
『69 sixty-nine』は普遍性があるとかと言われ、評価は高いけど、
だったら、あのタイトルは意味がない。
いくら村上龍の原作がそうだからと言っても、
『69 sixty-nine』のタイトルを使う以上、
時代を描いてなくては意味がないと思う。
あの時代固有の言葉も、
若い俳優たちが意味も分からないまま使ってるとしか思えず、
単なる記号と化していた。
やはりあの時代を知る人が描かなくてはダメなのでは...
と思ってたところに、この映画」。
---------にゃるほどね。だからよけいに嬉しかったんだ。
「そうなんだ。この『パッチギ!』には、
あの『69 sixty-nine』にはないもの、
<時代の空気>がある。
映画は、日本の高校生と在日朝鮮の高校生との衝突を背景にしている。
その中で芽生える両者の男女の愛、
それは必然的に「ロミオとジュリエット」的な色合いを帯びていく。
で、それをダンスに置き換えると
『ウエスト・サイド物語』になるわけだけど、
ここでは当時放送中止となった「イムジン河」、
つまり唄がその代わりを果たしているんだ。
この唄は南北を分断してる38度線を流れる河のことを歌ってるんだけれど、
クライマックスで朝鮮と日本の高校生が
『けんかえれじい』ばりの大乱闘を繰り広げるシーンや
主人公の高校生、いわゆるロミオがジュリエットのところへ泳いで向かうシーンでも
両者の間に河を挟むことで、この唄と映画をリンクさせている。
大友康平扮するラジオディレクターの
「歌っていけない唄なんてない」もいい言葉。
終わってプレスを見ると、「世界は、愛で変えられる」のコピー。
反戦を訴え続けている井筒監督らしいメッセージがいっぱい詰まっている映画だね」。
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