1年くらい前から始まったネットサービスで、
朝日、日経、読売の3紙について、
その主要記事を読み比べできるようなサイトが開設されている。
中でも、第一面最下段に掲載されている
各社のコラムの読み比べが面白い。
それはご存知のように、社ごとに
「天声人語」、
「春秋」、
「編集手帳」と名づけられている看板コラムだ。
これがネットで一度に見られるので、
最近は報道関係の仕事から遠ざかっているdoironにとっては
とても重宝しているサイトになっている。
このコラム、
8月6日には各社とも広島をテーマにしていた。
この一面下のコラムは
各社の売りで、
数人で手分けして書いているのが
これまでの内容から読み取れるのだが、
いずれも大変知識の豊富な人たちが書いているに違いない。
doironお気に入りの自然をテーマにしたコラムのときも、
実に正確に取り上げている。
ま、新聞だからええ加減には絶対書けないけどね。
文章の構成は、ひとつのテーマに対して、
過去の出版物や出来事、言葉を取り上げて
それに沿って組み立てていくというのが、
各社の常套手段のようだ。
簡単なように見えてこれがとても難しい。
何かを比喩するにしても
自分の知識の中にあるものを選び、
それにあうテーマを探して書くのならまだしも、
時事的なテーマに会う言葉や
出来事を選択するのには、
執筆者の頭の中に
相当豊富な知識がないとできないものだ。
ちなみに、8月6日の各社のコラムに取り上げているのは、
朝日新聞は石内都さんの写真集「ひろしま」
に収められた1枚の写真、
日経は原爆投下の目印となったT形の「相生橋」、
読売は早坂暁の「夢千代日記」に出てくる
やくざのひと言を例として取り上げている。
参考にサンケイは
「・・繰り返しません・・」
で有名な碑文と俳人、歌人の言葉を、
毎日は元大統領トルーマンの話をとりあげていた。
各社とも歴史の中のこの日を
過去の言葉や出来事と対比させて、
今年の広島を見事に浮き彫りにしていた。
さすがにプロの編集者たちである。
今の部署に配置になるまで
広報にいたdoironも
月に一度くらいで
社内向けのコラムを
毎月書いていた。
なけなしの知識を絞り
時にはネットの力を借りて
新聞コラムには遠く及ばないが
それなりに我ながら頑張って書いていた。
このコラムの目的は
面白く読みやすく書くことで
社報に目を向けてもらい
社員全員で今、社が抱えている
問題を共有しよう
ということだった。
社内の出来事と
社会の出来事を
面白おかしく
からめたつもりのそのコラムも
全部で70編あまり続き、
それなりにファンもできて
声をかけてくれたり
感想を言いに来てくれたり
していたのだが
この春、人事異動に伴い
doironは泣く泣く筆を置いた。
異動の際には、去り際に
このコラムだけは続けてほしいと
後任に託したのだが
この7月までは音沙汰なく
doironの始めた
この取り組みも途切れてしまったかと
残念に思っていた。
そしていよいよ痺れを切らして
別の切り口で、秘書の
「ひしょひしょ話」って名前で
コラムを始めてやろうかと
思い始めていた矢先の7月に
突然、前の担当部署内の
社員持ち回りで執筆という形で
コラムを再開してくれた時には
小躍りして喜んだものだ。
今は2回目の8月のコラムが
掲載されている。
なかなかdoironスピリッツを
継承して頑張ってくれているようです。
例えば先月の特集は
食中毒。
「食べ物にはあたらないように
編集に当たりました」なんて
駄じゃれも交えていましたぜ。
新聞コラムとともに
愛読者になってやろうと
思っている今日この頃なのだ。