ハブ ア ナイス doi!

いつまで続くのかコロナとの戦い。
全て解放されて、もっと、もっと
心から楽しまないとねえ。

空蝉

2010年08月09日 21時15分40秒 | 最近の出来事
年々、我が家の庭の地面から這い出てくる
セミの幼虫が増えてきた。

昨年は3~4匹だったのだが、
今年は10匹くらいは出てきている。
それは、庭に残された
空蝉の数をみればわかる。

セミの数え方は「匹」なのだが
セミのさなぎは「個」らしい。
では幼虫はどうなんだろうかね。

ま、とりあえず庭先で見かけた空蝉を
いくつか紹介しよう。



これは、きんもくせいの
枝にくっついていたもの。



これは家の壁、




そしてこれは
ゴミ箱横の衝立で
羽化した名残の空蝉だ。




「空蝉」という言葉には、
「現人(うつしおみ)」からくる
生きている人間の世、
つまり現世を表す意味もある。

現世の殻を脱ぎ捨てて、
セミたちは二週間程度のときを過ごした後に
あの世に旅立つ。
今はそんなセミの羽化が
ピークを迎えています。

65年前の今日、
何も知らずに
地面から這い出てきた幼虫たちは、
地上の様子に驚愕しただろう。
羽化のために這い上がろうとする樹木はなく、
あったとしても、
真っ黒に焦げた樹木。

現世の殻をまとって、
息絶えた幼虫も多かったに違いない。

残った家の塀や
壁を伝って
現世の殻を脱ぎ捨てたとしても、
そこには地獄さながらの光景が広がる。

夏真っ盛りのこの時期、
日陰もなく照りつける日差しは
熱波の中にたたずむ人々の命をも
次々に昇華させていった。

亡骸を空蝉のごとく、現世に残して。

木陰に響き渡るセミの声も
一瞬にして消滅した
65年前の8月9日午前11時2分。

今日は長崎原爆の日だ。