雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

仮面同窓会

2015-03-28 21:00:00 | 

雫井脩介著"仮面同窓会"を読みました。
洋輔は狐狸山高校を卒業して10年になります。
高校時代には生活指導の樫山にひどい仕打ちをされその後の
人生にまで影響をうけています。
樫山は生徒の上に君臨して支配することをめざしていました。
洋輔は友人の希一や和康や八真人らと樫山の指導を受けました。
洋輔の二つ上の兄は洋輔が小学六年の時川に落ちて亡くなり
ました。
高校の同窓会が開かれました。
久しぶりに友人たちと出会います。
同窓会には樫山も出席しています。

彼らは樫山に仕返しをしようと計画します。
ランニング途中に拉致して廃工場に連れ込んで高校の時に
さんざんやらされたこぶしを突き上げよいしょと声を上げる
動作をさせようというものでした。
実行に移し手足をテープで縛って置き去りにしました。
翌日に樫山が縛られたまま池に投げ込まれ殺されたことが
報道されます。

偶然出会った高校の同級生の美郷と出会い洋輔は付き合い
始めました。
美郷にはジョージという男のストーカーがいます。

洋輔が兄と会話を交わしている場面がよく登場します。
死んだ兄が人格の一つとして洋輔の中にいるのを思わせます。
八真人は頭が良く真面目な人物です。
それなのに不良の希一や和康とずっとつきあっています。

洋輔ら四人はどういうわけか樫山を殺したのは自分たちの
中の誰かだとお互いに疑っています。

結末はおそろしいものです。
やりきれない話です。
もともとの性格が悪という人もいるでしょうが、そうではない
のに抜けられない状況に陥ってしまうのはどうしてでしょう。
そうなる前に避ける方法は見つけられないのかと思って
しまいます。

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