雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

あした咲く蕾

2013-02-21 20:08:34 | 

朱川湊人著"あした咲く蕾"を読みました。
短編集です。

"あした咲く蕾"
司の叔母さんの美知恵は不思議な力を持っています。
自分の命を人や植物に分け与えることができます。
与えたら自分の命はそれだけ減ります。
司の母は美知恵が力を使うことを心配しています。

"雨つぶ通信"
広美の両親は離婚しました。
母が結婚したい男性を連れてきます。
広美は反発します。
広美は雨の日に人々の悲しみ、不安、嘆きの声を
聞けるようになりました。
広美の力を信じてくれない母ですが彼は信じてくれます。

"カンカン軒怪異譚"
たまたま入った中華料理の店のチャーハンのおいしさに
ひかれて常連となりました。
店の経営者は料理に自信を持つ女性です。
ずっと使われ続けてきた中華なべを使っています。
店に地上げ屋が出没するようになりました。
なべが店主を救ってくれるというお話です。

"空の人"
小学校からの知り合いで後に結婚しました。
子供がお腹にいる時に夫は交通事故で亡くなりました。
空の人は娘に会いにきてくれます。

"虹とのら犬"
小学生の時濡れ衣でチョコレートを盗んだと決め付け
られました。
暴力で人を抑える方が簡単だと思うようになりました。
周りに人がいなくなりました。
いじめられていたのを助けた女の子がいます。
彼女は彼に人をぶつのはよくないといってくれます。
好かれていない彼を好きといってくれます。
それから彼は変わります。
彼女とはそれから…

"湯呑の月"
明恵おばさんは病弱でした。
家の近所に住んでいてよく行き来していました。
しかし母からおばさんのところへ行ってはいけないと
言われました。
それからおばさんが亡くなるまで姉妹は絶縁して
いました。
湯呑みに水を入れ月を水に捕らえて願いをして
願いを聞いてもらえるなら水が甘くなると叔母は
教えてくれました。

"花、散ったあと"
ずっとつきあってきた友人を病院へ見舞いました。
彼は昔からなんでもない嘘をつきます。
弱っている彼を見て重態なのだと知ります。
最後の最後まで彼は嘘をつきます。
葬式の日に彼の奥さんと話してやられたと
気づきました。

不思議な話です。ほっとする話です。

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