雑記帳

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春告げ坂 小石川診療記

2015-03-29 21:00:00 | 

安住洋子著"春告げ坂 小石川診療記"を読みました。
高橋淳之祐は若き医師として小石川診療所で働いています。
武士の家に生まれましたが父は上役の落ち度を下の者に
押し付けられ切腹して果てました。
淳之祐は医師の高橋の家の養子となり大事に育てられました。
実父の最後については詳しく聞いたことがありません。
小石川では看護人の中間たちの態度は悪く仕事をせずに
ばくちをしたり薪などの診療所の備品を売り払ったり
しています。
そんな者たちの中で伊佐治はいっしょうけんめい働いています。

息子は奉公に出ていて一人暮らしの仙蔵が入所してきます。
末期的症状です。
お文は小さな子供たちに文字などを教えていました。
彼女は肺の病気でやはり末期です。
人生に不満がいっぱいです。
女性に生まれてやりたいことが出来なかったことをうらんで
います。
子供たちが飴玉を手に見舞いにやってきます。

お瑛は診療所で下働きをしています。
もっといい仕事があるだろうにとまわりには言われますが
止めようとはしません。

どこかのお姫様が診療所の前で駕籠を止め苦しんでいるのに
であいます。
駕籠酔いであることを見抜いて手当をしてやります。

淳之祐のていねいな診療のやり方は上の者には認められません。
成績を上げなければくびだといわれます。
淳之祐は蘭方の医学を長崎へ行って学びたいと思うように
なっています。
父親の最後の時の気持ちを淳之祐は知ることになりました。

患者のためいっしょうけんめい働くということが認められる
ことではないということはさみしいことです。

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