恋椿 橋廻り同心・平七郎控

恋椿―橋廻り同心・平七郎控 (祥伝社文庫)

藤原 緋沙子

祥伝社

発売日：2004-06

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藤原緋沙子著"恋椿 橋廻り同心・平七郎控"を読みました。
平七郎は以前は凄腕の定町廻りでした。
仕事を手伝ってくれていた瓦版屋を上役の判断ミスで
行くのが遅れて賊の手に掛かって死なせてしまいます。
上役はその責任を平七郎に押し付けました。
それで橋を調べて回る橋廻りに追いやられてしまいました。
もう事件とは関わりない平氏郎ですが事件に巻き込まれて
いく連作短編集です。

"桜散る"
桜の花が咲くころ橋の袂でずっと人を待っている女、
おちせがいます。
言い掛かりをつけられ困っていたおちせを助けてくれた
奥村鉄之進を待っているのです。
しかし奥村の家は九鬼縫之助に謀られて断絶しました。
おちせの家も九鬼によって潰れました。
おちせは妾奉公にいくことになりますがその相手は
九鬼でした。
鉄之進が最初におちせに会ったときにやっつけたのが
九鬼でした。恨みに思った九鬼が仕返しに二人を苦しめ
たのでした。

"迷子札"
音蔵はかつて押し込みの一味に加わっていました。
押し込み先の人を殺す仲間のやり方が嫌になり抜けて
一人長屋住まいをしていました。
親しくする相手は誰もいませんでしたが隣へやってきた
おきよと小さなおたまの親子が音蔵と親しくしてくれる
ようになりました。
おたまが行方不明になりました。
昔の仲間が音蔵を仲間に引き入れたいためにおたまを
さらったのです。

"闇の風"
仙吉は鬼瓦を作る職人でした。親方の岩吾郎とけんかに
なり刺してしまいました。
仙吉は流刑になりました。
仙吉にはおまつという女房がいました。
おまつは酌婦になって働いていました。
しかし長屋での暮らしは質素なものでした。
お金を島に届ければ仙吉は島での暮らしがよくなると
岩吾郎にいわれていっしょうけんめい働いていたのです。
しかしそのお金は仙吉に渡っていません。
だまされたのです。仙吉は江戸に帰ってきましたが
岩吾郎に殺されてしまいます。

"朝霧"
妙は父の敵を追って江戸へやってきました。
橋本格之進は父島崎甚左衛門を殺し義母の志乃を
連れて江戸へ逃げました。
二人は屋台でお団子を売って生きていました。
志乃は病気になりもう長くはありません。
格之進が甚左衛門を殺すことになったのは甚左衛門が
不正を働いていたからです。
やりたくて始めたわけではないのですが抜けるに
抜けられない状態になっていました。
甚左衛門を正した格之進に切りかかってきたのは
甚左衛門でした。
妙は事情を聞いてもなおさら仇討ちをすると
聞きません。

新聞に紹介されていた本です。
時代小説らしい本でした。9/21