雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

よこまち余話

2016-07-29 21:00:00 | 
著者 : 木内昇
中央公論新社
発売日 : 2016-01-22

木内昇著"よこまち余話"を読みました。
不思議な話です。
よくわかりません。
時代は明治のあたりなのでしょうか。
長屋に住む人たちが登場します。
お針子として着物を縫ったり修繕を頼まれたりして
生活しているお齣。
お齣の家に入り浸っている向かいの家の老婆のトメ。
魚屋の浩一と浩三の兄弟。
お齣の家に出入りしている糸屋。

お齣とトメはちゃんと人間の体ですが、今を生きる
人ではないらしいことがわかってきます。
トメは子供のころに吉原に売られ、そこでの生活に
決して馴染めなかった様子です。

浩三の家は生活が苦しいです。
浩三は中学に行きたいと思っています。
母はその夢を叶えてやろうとします。
中学生になって浩三は遠野という昆虫に夢中になっている
先輩に出会います。
遠野とお齣は夫婦だったらしいです。

何を言わんとしているのかつかみとれません。
トメもお齣も一度死んだ人なんでしょう。
この世に大きな未練を残している人が再度人生を
やり直して未練を断ち切っているのでしょうか。

彼女らがいなくなって近所の人たちは彼女らが存在した
ことすら覚えていません。
ただ浩三のみ忘れることなく覚えています。
再度の人生であろうと覚えている人が一人もいないのは
かりそめの人生であろうとも、存在しなかったことに
なってしまいますものね。

コメントを投稿