書く仕事

ご訪問ありがとう!!ミステリー小説の感想を中心に,読書,日々の雑感,映画の感想等を書き散らかしています.

プロ野球オールスター第1戦

2006年07月21日 22時47分06秒 | 野球
オールスター第1戦,久々にワクワクしました.
試合は青木,岩村のヤクルト勢の打線の爆発,中日岩瀬→阪神藤川→横浜クルーンという夢のようなクローザー3連発で,セリーグが勝ちました.
でも,オールスターですからどっちが勝ってもいいわけでして,見たいのはスター投手対スターバッターの1対1の対決でしょうね.
中でも圧巻は藤川対カブレラ,藤川対小笠原でした.
結果は藤川の2者連続三振でしたが,バッターにも惜しみない拍手が送られていました.というのは,藤川の剛速球を当てに行くのではなく,あくまでフルスイングで勝負に行ったのです.なんともすがすがしい爽快感が観客席を包んでいたようです.
もちろん,知力戦略を尽くして1点差の試合をものにするのも野球の醍醐味ですが,たまにはこういう,勝った負けたを超えた力対力の一本勝負を見たくなるときもあります.
1年に一度この時期にオールスターゲームをやるのは意外にリーズナブルなシステムなのかもしれませんね.
藤川がすごかったのは.変化球を使わずストレート一本で勝負して,なおかつ投げ勝ったという点です.しかもカブレラに対して手動作でストレート一本で行くよと合図してました.
これは,この変化球全盛の時代ではすごいことですね.ストレートだけではどんなに速くても打たれるんですよ,とは,偉そうな野球評論家がナイターの解説席で一晩に一度はおっしゃることですが,藤川は,カブレラ,小笠原というすばらしい打者相手にみごとにそれをやってのけた.
ストレートしか投げないと宣言までした後でね.
いやはやすごいピッチャーがいるもんです.阪神,後半戦も強そうですね.

伊坂幸太郎「魔王」

2006年07月21日 16時49分51秒 | 読書
面白かったですよ.
何度も直木賞候補になるくらいの方の本ですから,面白くないわけがない.
しかしですよ.
しかし,...
すっきりしないんですよ.読み終わった後.
伊坂幸太郎さんが何を言いたいのか,結局わからなかったんですよ.
日本には犬養首相のような強力なリーダーシップを持つ政治家が必要だと言いたいのか?それは違うよね.
じゃあ,強力なリーダーシップにはともすると将来のファシズムに通じる危なさが隠れているといいたいのか否か?
それもはっきりしない.
何を言いたいの???
たぶん,小説の主人公が誰なのかがはっきりしないからかもしれません.
前半の「魔王」は「俺」(名前は安藤)という一人称で語られ,後半は「私」(詩織)にバトンタッチされます.しかし,両人とも明らかに主人公ではない.
単なる語り部です.
主人公は,「犬養首相」?それとも安藤の弟「潤也」しかし,どちらも主人公というほど台詞も多くないし,存在感もない.
いったい何なのか?っていう思いです.
昨年の衆議院解散選挙の直後に読んでいたら,この本かなりのインパクトを持って読めたかもしれません.
明確かつ構造改革の象徴的な焦点である郵政民営化を掲げて,「わかりやすさ」で国民に訴える小泉首相が一時的にも犬養首相に重なるような気がしたからです.しかし,経済が上向いて景気が快復したとこまでは良かったですが,小児が犠牲となる殺人事件,冬の雪害,梅雨に入って各地で水害が相次ぎ,国際的にはイラクの派遣が終了し,北朝鮮のミサイル発射問題と国連の決議などあわただしい課題が次々に起きてくると,この小説に語られる政治家のリーダーシップみたいなものでは,世の中は救えないなあと思ってしまい,そう思うと,逆の意味で今の日本にはファシズムが台頭するのは難しいなと,変に安心もしてしまいました.
ファシズムが台頭するには問題が単純かつ深刻じゃなきゃだめです.

私が小説に求めているものは違うんです.もちろん,私が勝手に決めているだけだから,小説家の皆さんに強制できるはずのものではありませんがね.
こんなこと書いちゃって,全国の幸太郎ファンの皆様,ごめんなさい.
でも,うそはは書けないので,ご勘弁を.
でも,面白いことは間違いないです.それは保証します.
そういえば,小泉首相の息子が幸太郎だったな.違った,孝太郎でした.