風薫る道

Who never feels lonely at all under this endless sky...?

NHK交響楽団 第1978回定期公演 Cプロ @NHKホール(2月11日)

2023-02-14 23:06:31 | クラシック音楽




土曜日は、フルシャ&N響を聴いてきました。
3日連続はさすがにちょっと疲れたけど(詰め込みすぎた…)、聴きに行ってよかったです。素晴らしかった。
ソヒエフにフルシャに、クラシック音楽の未来は明るいですね

今回の2曲はどちらも「Symphonic Dances」。そして「アメリカで書かれた」という共通点からなるプログラミングが、思いのほか面白かったです。

【バーンスタイン:「ウエスト・サイド・ストーリー」からシンフォニック・ダンス】
ミュージカル『ウエストサイドストーリー』からの抜粋ですが、今回それをオーケストラの演奏で生で聴いて、数年前にラトル&ロンドン響で聴いた『不安の時代』と共通した響きを感じました。
これまでバーンスタインのミュージカル作品とクラシック作品の共通点を意識したことはなかったのだけれど、今回、「バーンスタインが作る響きの個性」というものが確かにあるのだなあと実感しました。
そういえば『不安の時代』の舞台も、ニューヨークだったな。
いいですねえ、作曲家バーンスタイン。
マンボ!は奏者さん達ちゃんと元気よく叫んでた

【ラフマニノフ:交響的舞曲 作品45】
私はこの曲を初めて聴いたのですが、素晴らしい曲ですね。
最後にこんな音楽をロングアイランドで作っていたのだなあ。こんなに故郷ロシアを感じさせる音楽を。
そのラフマニノフの心境を想像すると胸が苦しくなりますが、でももし彼がロシアに留まったままであったなら、この名曲は生まれなかったろうと思う。
芸術作品が作者の幸不幸とは別のところで生まれるのは当然ではあるけれど、そうして生まれた音楽を私が週末の昼に呑気にNHKホールで楽しませてもらっているのかと思うと、いい加減に聴いてはいけないような気持ちにもなりました。
もちろんそんな風に感じさせられたのは、フルシャ&N響の演奏が素晴らしかったからこそですが。

N響はあいかわらず凄く上手いのだけれど、これで音に色気さえあればなぁ…惜しいなあ…と感じながら(←私が日本のオケ全般に関して最も残念に思う部分)しばらく目を閉じて聴いていたら、不意に色気のあるヴァイオリンの音が
ん?と目を開けて確かめたら、ニューコンマスの郷古さんでした。N響の未来は明るいかも。

開演前の室内楽ミニコンサートは、チャイコフスキーの「弦楽六重奏曲 ニ短調 作品70『フィレンツェの思い出』より第1楽章』」。素晴らしい演奏でした

※ロングアイランドというと、私にとってはフィッツジェラルドの『華麗なるギャツビー』なのですが。
調べてみたら、ラフマニノフがロングアイランドで交響的舞曲を作曲したのは1940年で、フィッツジェラルドが亡くなった年なんですね。
ラフマニノフはその3年後の1943年に亡くなっていて、亡くなった場所はどちらもロサンゼルス。
年齢的には、フィッツジェラルドの方がずっと若く亡くなっています。
フィッツジェラルドが『華麗なるギャツビー』の最初の3章を執筆したロングアイランドの邸宅が388万8888ドル(約4億7000万円)で売りに出されているという2015年の記事を見つけました。素敵な家
そしてこちらは、フィッツジェラルドが住んでいたミネソタ州のヴィクトリア様式の家で、1919年にここで『楽園のこちら側』が書かれたそうです。この家も素敵



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