風薫る道

Who never feels lonely at all under this endless sky...?

この国のかたち ~森光子さんと筑紫哲也さん~

2012-12-13 00:55:43 | テレビ

「今、時の流れが早いとよく聞きますが、それは平和だからです。
すごく辛いことが、もっといっぱい昔の日本にはありました。
でもそれを今の人たちに経験してくださいとは言いません。
ただ、それが癒されるような国が自分の国であるならば…少しはありがたいと思います。」

(森光子 ~追悼特別番組より)

この森さんの「癒されるような国」という優しい言葉は、筑紫哲也さんが生前に仰っていた「情のある国」という言葉にどこか通じるものがあるように思います。
たとえ戦争は起きていなくても、自己を顧みずに他者の批判ばかりしていたり、あるいは他者に対して異常なまでに無関心であったり、毎日膨大な量の食糧が廃棄される一方で餓死をする人がいたり、そして常に個々が孤独や不安を感じているような国は、決して「癒されるような国」とは言えない。

今日、ある事件の加害者の奥さんが今非常に苦しんでいるという内容のニュースに対して「そういう旦那を選んだ、そういう人生の決断をした自分自身の責任。誰も強制していない」というtwitterを見かけて、なんだかとても悲しい気持ちになりました。
確かにそれはそのとおりかもしれないけれど、現に苦しんでいる人間に対してなんて冷たい意見だろう、と。合理的ではあっても、情がない。
それを言っちゃあお終いでしょ、と思うのです。本人もこんな未来がくるとわかっていたわけではないでしょうに、それを自己責任と切り捨てるのは酷すぎる。
でもこういう考え方をする人は案外今の日本に多いのではないだろうか…とふと感じ、このお二人の言葉を思い出した次第です。
いつからこの国はこんな「冷たい国」になってしまったのでしょう。

「もっと人間らしい、人間の血のかよった、そして人間の尊厳が守られる社会」、日本がそんなあったかい国になればいいなと、心から思います。

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