風薫る道

Who never feels lonely at all under this endless sky...?

キング牧師の日

2020-01-20 21:05:49 | テレビ

Martin Luther King's Last Speech: "I've Been To The Mountaintop"


We've got some difficult days ahead. But it doesn't really matter with me now. Because I've been to the mountaintop. I don't mind.
Like anybody, I would like to live - a long life; longevity has its place.
But I'm not concerned about that now.
I just want to do God's will. And He's allowed me to go up to the mountain.
And I've looked over. And I've seen the Promised Land.
I may not get there with you. But I want you to know tonight, that we, as a people, will get to the Promised Land.
So I'm happy, tonight.
I'm not worried about anything. I'm not fearing any man.
Mine eyes have seen the glory of the coming of the Lord.

前途に困難な日々が待っています。でも、もうどうでもよいのです。私は山の頂上に登ってきたのだから。
皆さんと同じように、私も長生きがしたい。
長生きをするのも悪くないが、今の私にはどうでもいいのです。
神の意志を実現したいだけです。
神は私が山に登るのを許され、
私は頂上から約束の地を見たのです。
私は皆さんと一緒に行けないかもしれないが、
ひとつの民として私たちはきっと約束の地に到達するでしょう。
今夜、私は幸せです。心配も恐れも何もない。
神の再臨の栄光をこの目でみたのですから。

(April 3, 1968, at the Mason Temple in Memphis, Tennessee)


今日はキング牧師の日なのだそうです。
なので以前ご紹介したことのあるこの映像を再掲。
二十世紀が終わる頃、TVでは激動の100年を振り返る番組がいくつも放送されていました。
なかでも特に秀逸だったのが、1995年にNHKが作成したドキュメンタリー『映像の世紀』。
私がキング牧師の最後のスピーチを初めて見たのは、このドキュメンタリーででした。
あのときTVから受けた衝撃は、今も忘れられません。
有名な"I Have A Dream"の映像は何度も見たことがありましたが、この映像を見たのはそのときが初めてでした。
キング牧師の1968年4月3日、暗殺される前日の演説です。
なんという表情でしょう。
なんという説得力でしょう。
演説を終えた後の、すべてを言い切ったというような、生き切ったというような、そんな姿も印象的でした。
キング牧師はこのとき39歳。

Martin Luther King - I Have A Dream


One day we will have to stand before the God of history, and we will talk in terms of things we've done. ……It seems I can hear the God of history saying, "That was not enough! But I was hungry, and ye fed me not. …
(August 28, 1963, Washington D.C.)

そしてこちらは、1963年8月28日の有名な"I Have A Dream"(私には夢がある)の演説。
キング牧師の生家があるジョージア州アトランタも、この演説が行われたワシントンD.C.のリンカーン・メモリアルも、20歳のときに初めて訪れました。三ヶ月間の交換留学をしていたときです。
アメリカって世界の嫌われ者のようなところがありますが、以前も書いたことがありますが、私は誤ったことが行われるときに必ずはっきりと「NO」と声を上げる人間が現れるこの国のそういう面が好きでしたし、それは今でも私の中でひとつの指針となっています(何をもって「誤ったこと」とするか、という問題はまた別にありますが)。
私自身が黄色人種としてアメリカ人から露骨な差別を受けたことが幾度かありましたが、多くの場合それに即座に「NO」を突きつけてくれた人達もまたアメリカ人でした。どちらも私の知人ではない通りすがりの人達でした。
あれから23年。
私自身は少しは成長できたのだろうか、と振り返る日にもなったキング牧師の日でした。

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