風薫る道

Who never feels lonely at all under this endless sky...?

伝える言葉から伝えない言葉へ

2023-06-10 11:12:57 | その他音楽

涙活進行中。
夜会VOL.3 KAN(邯鄲)TAN』に続いて、「ジョークにしないか」を聴いてます。

先日の記事で「恋愛的な相手か、人間愛かで違う」と書いたけれど、恋愛で見返りを求めないことって物凄く難しいですよね。
たとえば母親の子供に対する愛だったり人類愛だったら、「相手が幸せならばそれだけでいい」という感情を持つことはそれほど難しくないというか、自然な感情のように思う。

でも恋愛の場合は、自分のことも愛してほしいとどうしても思ってしまうのが、人間の自然な感情でしょう。
でも人間同士の感情というのはそこがピッタリ合うわけではないから、『KAN(邯鄲)TAN』で描かれている世界が胸に刺さる。
そこがピッタリ合っているわけではない以上、自分の想いが常に成就するわけではない以上、欲しがっているだけでは人は一生不幸なまま。
だから『KAN(邯鄲)TAN』のような価値観の転換をすることで、私達の心は救われる。
それも逃げて楽になるよりも、同じ想いが返されることがなくて辛くても愛することを選ぶ方を、みゆきさんは(みゆきさんが描く女性は)選んでいる。逃げるよりもその方が、彼女の心は救われるのだと思う。
でもその価値観の転換は、決して容易なことではないですよね。恋愛である以上。

愛なんて軽いものだ 会えることに比べたなら
明日また会えるように ジョークにしないか
きりのない願いは ジョークにしてしまおう


これ、ものすごく辛いことですよね。
一会のアンコールでこの曲を聴いたときに私はブログに「この曲に諦めだけではない、前向きな強さ、しなやかさのようなものも感じることができた気がします」と書いたけれど、この「強さ」はものすごーーーーーく辛い想いの上に、弱さの上にあるものですよね。
この歌の女性は当然だけど今も「きりのない願い」を持ち続けていて、それは自分自身で消せるものではないから、どうしようもない。

切ない歌ですね、改めて。。

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