風薫る道

Who never feels lonely at all under this endless sky...?

「ゆずり葉」

2009-03-11 00:03:02 | 





ゆずり葉     河井酔茗


子供たちよ。
これはゆずり葉の木です。
このゆずり葉は
新しい葉が出来ると
入れ代わってふるい葉が落ちてしまうのです。

こんなに厚い葉
こんなに大きい葉でも
新しい葉が出来ると無造作に落ちる
新しい葉にいのちをゆずって――。

子供たちよ
お前たちは何をほしがらないでも
すべてのものがお前たちにゆずられるのです。
太陽のめぐるかぎり
ゆずられるものは絶えません。

かがやける大都会も
そっくりお前たちがゆずり受けるのです。
読みきれないほどの書物も
みんなお前たちの手に受け取るのです。
幸福なる子供たちよ
お前たちの手はまだ小さいけれど――。

世のお父さん、お母さんたちは
何一つ持ってゆかない。
みんなお前たちにゆずってゆくために
いのちあるもの、よいもの、美しいものを、
一生懸命に造っています。

今、お前たちは気が付かないけれど
ひとりでにいのちは延びる。
鳥のようにうたい、花のように笑っている間に
気が付いてきます。

そしたら子供たちよ。
もう一度ゆずり葉の木の下に立って
ゆずり葉を見る時が来るでしよう。


(『光村 国語 六年下』)




卒業シーズンによせて(^_^)
小学6年生の頃の国語教科書より。

じつはこの詩、当時はあまり好きじゃありませんでした。
理由はよく覚えていませんが。
なんでだったかなあ。
「幸福なる子供たちよ」ってあたりが、ちょっと押しつけがましく感じたのかもしれません。
子供は子供なりの悩みをもちながら頑張って生きてますからね。

大人になった今は、この詩が好きです。
大きくて温かい、"大人の詩"だと思います。
大人になっても大人になりきれない人たちが増える昨今。
私も自分のことで精いっぱい気味なので人のことは全然言えないのだけれど。
こういう"大人"でありたいな、と思います。
また義務でもあると思う。

写真は近所の道に咲いていたゆずり葉、ではなく桜。
携帯から送ったので画質がわるくてスミマセン。
なんの種類でしょう。すごくきれいでした。
気に入っていて、今の携帯待ち受け画面です^^
うぅ、泣きたいかも・・・と思っても、これ見てがんばってるのです。

そう、泣きたいんですよ、ほんと。。
ひさしぶりの更新でしたが、私の方はまだまだまだまだ落ち着けません。
予想以上です、就職難。。
就活仲間のオトナのみなさん、めげずに一緒にがんばりましょー!
なんとかなります!大丈夫^^!

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