いや~、暑くなってきた!
私のような日陰者でも、夏はやはり暑い。
暗くて寒い冬は精神的にツラいけど、夏は肉体的にキツい季節。
〝どっちがいいか?〟と言うと・・・やっぱ夏かな。
今の私にとっては、夏は明で冬は暗。
学生の頃から夏は苦手で、どちらかと言うと冬の方が好きだった。
しかし、ここ数年来でそれが逆転してきている。
年齢に逆らって、精神は若返っているのだろうか?
暑くなると、当然に大量の汗をかく。
夏の現場では、汗が水をかぶったように身体の表面を流れ、流れた汗は、あちらこちらに滴り落ちる。
時には、目からも。
元人間の上に自分の汗が落ちるとき、生死の明暗が浮き彫りになる。
腐敗汚物は死の証、汗は生の証。
失った水分は、速やかに補給しなければならない。
でないと、体調を悪くしてしまい仕事にならなくなる。
隊長が体調を崩して、他人様が倒れた所を片付けながら自分が倒れてしまっては、笑い話にもならないからね。
夏の現場では飲物は欠かせない。
その調達は、コンビニではなく自販機が便利。
コソコソと肩身の狭い思いをして買物をするのもイヤだし、臭くて汚い男に入ってこられたらコンビニの方も迷惑だろうから。
その点、自販機はいい。
風通しのいいところに立っているし、変な顔もしてこない。
お金さえ払えば、客を差別することもない。
普段、私が口に入れる飲物と言えば、水・お茶が圧倒的に多い。
そして、朝の牛乳と夜の酒も。
しかし、お茶や酒は利尿作用が強いから、水分補給目的では飲用できない。
それでも、私がお茶を飲用するようになったのには理由がある。
その話は、私が20代後半だった頃に遡る。
その頃、胃にポリープが見つかったことがあった。
ちなみに、自覚症状はまるでなかった(自覚症状があると危ないらしい)。
「精密検査が必要」
と病院から連絡を受けたときは、素人ながら、胃癌を疑ってビビってしまった。
「癌だったらどおしよぉ・・・」
しのごの考えてても仕方ないので、とりあえず精密検査を受けた。
内視鏡を胃に入れ、ポリープの一部を採取(結構、苦しかった)。
それを培養・検査して悪性か良性かを検査。
ポリープが、〝良性or悪性〟で、私の運命は大きく変わることが予想されたので、検査結果を待つ間の数日はかなりブルーな日々を過ごした私だった。
「悪性だったらヤバイな・・・癌・・・若いと進行も早いみたいだし・・・」
その頃は既に死体業に従事していた私は、悪性腫瘍(癌)で亡くなる老若男女をたくさんみてきた。
だから、悪い結果がでた場合、自分がどうなっていくかがリアルに想像できた。
そして、その歳でも、ある程度の死生観を養っていた私は、自分の力ではどうしようもできない〝定め〟を受け入れようと苦悩した。
それにしても、人間って勝手なものだ。
「死にたい・生きていたくない」
と思うときもあれば、
「死にたくたい・生きていたい」
と思うときもある。
「俺は20代・・・まだ死にたくないな」
その時の私の心境は、後者〝死にたくない〟だった。
検査結果がでる日、足に力が入らないようなフワフワした気分で病院に向かった。
そして、担当の医師との面談を待った。
待たされている間のドキドキ感は、今になっても何とも言い表しようがない。
明暗を分ける検査結果は・・・
「悪性ではない」
というものだった。
「助かったぁ!」
それだけ聞いて、まずはホッと胸を撫で降ろした。
しかし、ハッキリと〝良性〟と言われなかったところにも理由があった。
どちらにしろ、そのポリープは早期に切除した方がよさそうな代物らしかったのだ。
それでも、悪性腫瘍ではなかったことに安堵する私だった。
病院からの帰り道、足取りが軽かったことは言うまでもない。
それからしばらく、胃癌について敏感になった私は、
「お茶を飲むと胃癌になりにくい」
といった情報を入手。
それからというもの、お茶を飲む習慣が身についた私なのである。
幸か不幸か、私の胃ポリープは悪性腫瘍ではなかった。
でも、それは自分の力ではどうすることもできなかったこと。
世の中には、突然の悪性腫瘍に蝕まれる人もいる。
いきなり、余命宣告を言い渡される人もいる。
人生の明暗は、自分の力ではどうすることもできないことがほとんど。
それでも、〝少しでも明るい方へ行きたい〟ともがくことに、生きている証の一つを見る。
自分の無力さを痛感しつつ、明るい気持ちで暗い仕事をしようと格闘する私である。
腐敗汚物と自分の精神を削りながら。
公開コメントはこちら
特殊清掃プロセンター
遺品処理・回収・処理・整理、遺体処置等通常の清掃業者では対応出来ない
特殊な清掃業務をメインに活動しております。
私のような日陰者でも、夏はやはり暑い。
暗くて寒い冬は精神的にツラいけど、夏は肉体的にキツい季節。
〝どっちがいいか?〟と言うと・・・やっぱ夏かな。
今の私にとっては、夏は明で冬は暗。
学生の頃から夏は苦手で、どちらかと言うと冬の方が好きだった。
しかし、ここ数年来でそれが逆転してきている。
年齢に逆らって、精神は若返っているのだろうか?
暑くなると、当然に大量の汗をかく。
夏の現場では、汗が水をかぶったように身体の表面を流れ、流れた汗は、あちらこちらに滴り落ちる。
時には、目からも。
元人間の上に自分の汗が落ちるとき、生死の明暗が浮き彫りになる。
腐敗汚物は死の証、汗は生の証。
失った水分は、速やかに補給しなければならない。
でないと、体調を悪くしてしまい仕事にならなくなる。
隊長が体調を崩して、他人様が倒れた所を片付けながら自分が倒れてしまっては、笑い話にもならないからね。
夏の現場では飲物は欠かせない。
その調達は、コンビニではなく自販機が便利。
コソコソと肩身の狭い思いをして買物をするのもイヤだし、臭くて汚い男に入ってこられたらコンビニの方も迷惑だろうから。
その点、自販機はいい。
風通しのいいところに立っているし、変な顔もしてこない。
お金さえ払えば、客を差別することもない。
普段、私が口に入れる飲物と言えば、水・お茶が圧倒的に多い。
そして、朝の牛乳と夜の酒も。
しかし、お茶や酒は利尿作用が強いから、水分補給目的では飲用できない。
それでも、私がお茶を飲用するようになったのには理由がある。
その話は、私が20代後半だった頃に遡る。
その頃、胃にポリープが見つかったことがあった。
ちなみに、自覚症状はまるでなかった(自覚症状があると危ないらしい)。
「精密検査が必要」
と病院から連絡を受けたときは、素人ながら、胃癌を疑ってビビってしまった。
「癌だったらどおしよぉ・・・」
しのごの考えてても仕方ないので、とりあえず精密検査を受けた。
内視鏡を胃に入れ、ポリープの一部を採取(結構、苦しかった)。
それを培養・検査して悪性か良性かを検査。
ポリープが、〝良性or悪性〟で、私の運命は大きく変わることが予想されたので、検査結果を待つ間の数日はかなりブルーな日々を過ごした私だった。
「悪性だったらヤバイな・・・癌・・・若いと進行も早いみたいだし・・・」
その頃は既に死体業に従事していた私は、悪性腫瘍(癌)で亡くなる老若男女をたくさんみてきた。
だから、悪い結果がでた場合、自分がどうなっていくかがリアルに想像できた。
そして、その歳でも、ある程度の死生観を養っていた私は、自分の力ではどうしようもできない〝定め〟を受け入れようと苦悩した。
それにしても、人間って勝手なものだ。
「死にたい・生きていたくない」
と思うときもあれば、
「死にたくたい・生きていたい」
と思うときもある。
「俺は20代・・・まだ死にたくないな」
その時の私の心境は、後者〝死にたくない〟だった。
検査結果がでる日、足に力が入らないようなフワフワした気分で病院に向かった。
そして、担当の医師との面談を待った。
待たされている間のドキドキ感は、今になっても何とも言い表しようがない。
明暗を分ける検査結果は・・・
「悪性ではない」
というものだった。
「助かったぁ!」
それだけ聞いて、まずはホッと胸を撫で降ろした。
しかし、ハッキリと〝良性〟と言われなかったところにも理由があった。
どちらにしろ、そのポリープは早期に切除した方がよさそうな代物らしかったのだ。
それでも、悪性腫瘍ではなかったことに安堵する私だった。
病院からの帰り道、足取りが軽かったことは言うまでもない。
それからしばらく、胃癌について敏感になった私は、
「お茶を飲むと胃癌になりにくい」
といった情報を入手。
それからというもの、お茶を飲む習慣が身についた私なのである。
幸か不幸か、私の胃ポリープは悪性腫瘍ではなかった。
でも、それは自分の力ではどうすることもできなかったこと。
世の中には、突然の悪性腫瘍に蝕まれる人もいる。
いきなり、余命宣告を言い渡される人もいる。
人生の明暗は、自分の力ではどうすることもできないことがほとんど。
それでも、〝少しでも明るい方へ行きたい〟ともがくことに、生きている証の一つを見る。
自分の無力さを痛感しつつ、明るい気持ちで暗い仕事をしようと格闘する私である。
腐敗汚物と自分の精神を削りながら。
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