プラチナ世代のマラソン旅行

時悠人chosan流処世術

★濡れ衣晴らしの広告

2009-03-18 09:40:47 | 日記・エッセイ・コラム

 朝刊を広げたら、一面の社名題字下に「当院は○○市の▲▲クリニックとは関係ありません」という広告が目に入った。「当院」とあるのは、私が去年通っていた整形外科クリニックだった。

 県内にある同名のクリニックが、診療報酬の不正請求事件を起こしたので、風評被害を防ぐための広告だった。今月上旬、クリニックから同趣旨のDMが送られて来たので、承知していたが、改めて新聞広告を見ると、その影響度が深刻なことが窺われた。

 歯切れの良い老医師で、見立て上手と、患者からの評判も良かった。私が去年、重い肩コリと頭痛で診察を受けた際も、MRI画像やX線写真を示し、納得が行くまで質問に答えて下さったことを記憶している。頚椎に軟骨が食い込み、血管を圧迫するために起こる頭痛で、手術出来ない個所なので、マラソンや激しい運動をやめろと忠告されて足が遠のいた。

 新聞社の題字下やラテ欄への出稿料は高い。目につき易く、広告効果も期待できるからだ。しかし、濡れ衣を晴らすために支払う費用は、実に不愉快だ。医療機関は、お金以上に信用を重んじるだけになおさらで、院長の無念さと怒りが伝わってきた。


★春雷

2009-03-17 10:35:39 | 日記・エッセイ・コラム

 遠雷が耳に心地よく、惰眠をむさぼっていたら、頭上を襲うような大音響が鳴り響き、我に返った。春雷は、冬に終わりを告げ、春を呼ぶのでめでたいと言うが、雷鳴は決して好きになれない。

 暦の上では、今日が彼岸の入りで20日が春分の日だから、確実に春が近づいている。気温も徐々に高めに推移し始め、桜の開花情報も聞かれる。「世の中は 三日見ぬ間に 桜かな」という句は、桜が咲き始めたことを詠んだものだが、「に」を「の」に変えると、逆に三日見ないうちに散ってしまった意味になる。日本語の助詞の使い方が如何に難しいかを思い知る。

 「年々歳々花相似たり 歳々年々人同じからず」。世の中の移り変わりもさることながら、時間の過ぎ方が若い頃よりも速く感じられる。動作が緩慢になった加齢の所産か。緊張感の欠如を戒めながら、あと何回桜を見ることが出来るのだろうと思い巡らしている。


★和倉マラソン番外編③最終章

2009-03-12 09:57:20 | 日記・エッセイ・コラム

Photo イベントとは、人が動くことであり、「一期一会」の場として貴重な発見の場にもなる。共通のバックグラウンドがあると、初対面の人なのに、旧知の仲のような錯覚すら覚える。寡黙を旨とする時悠人でも、話しかけてくれる人には積極的に呼応し、貪欲に知識を吸収することにしている。

 2月の渡嘉敷島でも、50歳から走り始めて、ウルトラを年3回、フルを毎月走る76歳の高齢ランナーと知り合った。連日、30㎞を走り込むと聞き、脱帽した。宿では、神奈川から参加したご夫婦とマラソン談義から旅行や趣味の話で、夕食が楽しい宴の場になった。沖縄の大会に毎年参加しているこのご夫婦は、最大の魅力を「走るだけでなくビフォア・アフターの楽しみ方が豊富なこと」と語った。

 一方、東京マラソンが誕生するや、毎年、人気沸騰状態だ。同時期開催の荒川市民マラソンの人気も根強い。長野や福知山マラソン、NAHA・沖縄、或いは、千歳、指宿などの大規模人気大会は、いずれもそれなりの理由がある。全国からリピーターを呼び集めるには、参加者が満足する大会運営が最大のポイント。全国的にはまだまだユニークな大会が盛りだくさんだ。

 まだ見ぬ土地への旅行と走りを兼ねて参加するのは、欲張り人間には最高の贈り物。 せっかく、多大な労力を投入する以上、単なるマラソン愛好家の場で終わらせることなく、家族や同行者も巻き込んで楽しめるイベントに育て上げて行きたいもの。和倉マラソンが、5,000、10,000人規模の大会に成長するよう祈っている。


★和倉マラソン番外編②発展性

2009-03-11 09:20:22 | 日記・エッセイ・コラム

 和倉マラソンの遠方参加者が多いことの有意性は、前回のブログで述べた。これを詳しく分析すると、参加者100名を超える都道府県が4つある(愛知県144名、東京都121名、大阪府111名、新潟県110名)。さらに、エリア別に拡大すると、東海4県(愛知・岐阜・静岡・三重)で264名、関東4都県(東京・神奈川・千葉・埼玉)で239名、関西4府県(大阪・京都・兵庫・滋賀)で205名、信越2県(新潟・長野)で159名の合計847名で、北陸3県以外参加者の85%を占める。

 これらのエリアに共通するのは、アクセスの利便性。東京からは、羽田~能登と小松の両空港まで1時間ほどだから1泊すれば温泉とマラソンを楽しめる。もう1泊して、能登半島を巡るなり、往路と復路の空港を変えれば、能登半島から金沢の観光まで満喫できる。こんなちっぽけな県に、二つの空港があるのが不思議だが、これをネットワーク化して活用しない手はない。

 東海からは、昨年、東海北陸自動車道が全面開通したので、列車・バス以外にマイカーで参加出来る範囲になった。今夏には、静岡空港が開港し、小松便が1日2便就航するので、一段と弾みがつくと予想される。また、関西圏はJR北陸線のドル箱路線で本数も多く、1日数便は和倉温泉まで乗り入れているほか、金沢までの高速バスもある。北陸新幹線が開通すれば、信越方面からのアクセスも格段と向上する。

 大都市圏からの参加者が多いことは、観光産業に大きく貢献することと同義だ。石川県は、民力3%に満たない県だが、観光資源だけは5%を超える特質をもっている。富山・福井両県を合わせればその魅力は数倍化する。今回の大会は、運営面で改善すべき問題も多く見られたが、地域活性化の一翼を担うポテンシャルは高いと確信するだけに、関係者のさらなる努力に期待したい。


★和倉マラソン番外編①概況

2009-03-10 14:09:28 | 日記・エッセイ・コラム

 第1回能登和倉万葉の里マラソンの参加者データは、非常に興味深い。総エントリー数5,037名の都道府県別分布状況を見ると、能登地方の観光の魅力とポテンシャルの高さを示している。地理的至便さを考えると、北陸3県で全体の8割4,000名を占めるのは当然だが、他府県からの参加者1,000名の分布に注目したい。

 「全国ランニング大会百撰」の上位ランキング大会に参加して来た経験から、和倉マラソンが運営次第で人気大会に化ける可能性を感じる。

 1月開催の「菜の花いぶすきマラソン」は、18,000名を超えるマンモス大会で、過去、何度もベストテン入りを果たしている。起伏に富む難コースだが、池田湖と開聞岳に菜の花畑が織りなす景観と温泉、そして熱狂的な沿道の応援が人気の秘密だ。能登島と二つの架橋、七尾湾に浮かぶ島々、そして立山連峰の遠望と温泉をセールスポイントとする和倉マラソンは、指宿マラソンに似ている。

 指宿マラソンの参加者数約18,000名のうち、九州以外からの参加者数は約1,500名だ。5,000名のうち、約1,000名が北陸3県以外の遠方参加者であることが、如何に大きな数字かが窺い知れる。

 能登半島の観光資源は、旧国鉄時代の1970年代に「ディスカバー・ジャパン」に登場して一躍脚光を浴びたが、その後、長期低落傾向に歯止めがかからない。近い将来、北陸新幹線が開通すれば、現在の北陸線や枝線の七尾線は3セク化か廃線に追い込まれる運命だ。点在する観光スポットをネットワーク化し、観光客誘致に繋げる起爆剤として和倉マラソンを充実発展させる努力が望まれる。