舞台は中堅広告代理店中和エージェンシー。そこに働くアラフォーたちが主役。あの本城雅人がこういうのを書くんだと思いつつ読み進む。六つの短編からなる。明るいがうっかりの多い阿南が営業第三課長となる。39歳。同期の石渡は営一課長に最年少でなった。有能だが自信過剰のナルシスト。途中入社で阿南とともに営四課長となったのが元陸上短距離の和田。同い年で上司と不倫中。阿南の同期三人の内で社長秘書(課長級とか)の吉本は、何故か社長から遠ざけられていく。途中入社でもう一人の同い年の課長、事業二課長の平松は先代社長の息子。テレビ局を辞めて入ってきたが、二世風を吹かさないという稀なタイプ。会社はなかなか良い雰囲気だが、彼らアラフォー達を見守り、時々導きを与えるのが専務の武居。一丸商事でトップの実績をあげていた部長から先代社長のヘッドハンティングでやってきた。「四十過ぎたら出世が仕事」という言葉をアラフォー達に伝えながら、次期社長と目されている。登場人物それぞれに物語があり、それぞれの展開がある中で、会社という社会、人生というものが。ということか。☆☆☆ほ。
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