人間の体重にうち約60%が水だと言われている。厳密にいうと水分量は、年齢によって異なる。新生児が75%。4~5歳児で70%。成人女性が50%。成人男性が60%。老人が50%。今朝の私の体重は、64.3キロだった。今の体重計は、体重ばかりでなく、体脂肪、筋肉量、水分量、体内年齢、基礎代謝量などが計測できる。どれほど正確なのかは、分からないが、数値が表示されるので、自分の健康状態を知る目安にはなっている。私は75歳。水分量は、50%として32.15キロである。
昔から年寄りを「梅干し…」とか「しわくちゃ…」と呼ぶことがある。要するに歳をとるとだんだん干からびてくるのである。私もご多分に漏れず、しっかり水分が抜けてきている。首のまわり、二の腕、太もも内側、臀部、特に足の裏側と着実にじわじわと干からびが占領し始めている。
このところ夏日と呼ばれる高温の日が続いている。医者からもテレビやラジオでも水分を補充するように言われる。気をつけていて、水分を摂るようにしているつもりだ。毎朝、妻がお茶を淹れ、容器を冷蔵庫に入れておいてくれる。ありがたいことだ。暑くなる以前、妻が帰宅するまでに500cc2本を飲み切るのは、とてもできない量だった。ところがこのところの猛暑で、何ということか、軽く2本を飲み切ってしまう。
干からびが進行している私は、汗をあまりかかない。動かないこともあるが、汗が流れて困るということはない。日本は高温多湿の地帯だと言われている。確かにアフリカのセネガルにいた時、気温は40℃を越えても、日陰にいれば、心地よかった。とにかく空気が乾燥していた。ただ困っているのは、寝汗だ。特に首に回り。そこで20数年前に長野日赤病院に心臓バイパス手術で入院していた時、看護師から教えてもらった方法をいまだに使っている。
タオルを2枚端と端を縫い合わせて、1枚の長いマフラーのようにする。それを寝る時、首の周りにかけて寝る。首に巻くと寝ている間に、首を絞めてしまわないようにただ垂らしておく。これで首のまわりの寝汗の問題を防げた。
歳をとるにつれて、干からびてくるのは仕方がない。でもなぜ歳をとると、こうも涙もろくなるのだろうか。テレビで悲しいニュース、特に親による子殺しや幼い子どもたちが事故に巻きもまれて犠牲になるなどのニュースを見れば、涙があふれ出る。妻と映画を観ていても、それぞれが違うシーンで泣くこともあるが、同じ場面でティッシュを取り合うこともある。
あと鼻水とヨダレも困ったものである。風邪をひいていなくて、鼻炎でもないのに、鼻水が出る。ヨダレは、入れ歯を入れるために、上の前歯4本抜いたせいだと思うが、注意を怠ると口からこぼれてしまう。汁ものには、苦労する。ティッシュが手放せない。若い頃、夢でステーキや鮨を食べる夢で枕にヨダレを垂らしたことがある。今は、いつなんどきでもヨダレを垂らす状態にある。トイレの回数も増えた。服用している糖尿病の薬の影響もあるが、干からびた体内から貴重な水分が抜けてしまうようで不安に感じる。
老化は進行する。体に変化がここにもあそこにも出てきている。梅干し…しわくちゃ…と言っても言い過ぎではないほど、体が乾いて来ても、気持ちは、いつもみずみずしく保ちたいものだ。