いまどきの孫たちは、4つの財布を持つといわれている。父方の祖父母、母方の祖父母、両親、そして生意気に自分の財布。
妻の妹は田舎の素封家の次男と結婚した。この素封家の家では正月のお年玉、なんと年齢の数字に“万”円をつけてくれるそうな。ということは、夫34歳、妻37歳、息子4歳、総計75万円が2007年度のお年玉となる。たいしたものだ。妻の70歳をすぎた両親は正月が近づいてくると、ため息が多くなるそうだ。当たり前だ。田舎の普通の地元企業を退職し、今は年金暮らしの身の上である。私も同じ。
私にも2人の孫がいる。妻の妹の話から、良い考えがひらめいた。私はこの先ずっと500円玉作戦を貫こう。孫の祝い事は全て500円玉で済まそう。早速自分が以前から使っていた日本貯金本普及協会の『500円玉で日本一周旅行をすると10万円貯まる本』と同じものを買おうと書店に行った。そこで『世界一周』判と2冊買い求めた。
昔、アメリカの教会で献金の時、牧師が神妙な顔をして、「信者の皆さん、神様は音の出るお金はお嫌いです。どうぞ静かなお札をご用意ください」 たぶん孫たちも同じ意見であろう。しかし彼らも今はまだそこまでの分別をわきまえているとは思えない。先手必勝!実績を積み上げたほうが勝ちだ。
正月、私は威厳をもって孫たちにお年玉と『貯金本』を与えた。銀行で恥ずかしさを乗り越え取り替えてもらった、未使用の光り輝く500円コインを、4歳の孫に4個、1歳の孫に1個。そして言葉を付け加えた。「貯金本に大切に埋め込み、将来のためにしなさい」我が息子の顔に、読唇術で解読すると「ケチ」と書いてあった。
子供を甘やかせば、将来ロクなことがない。私はそのまたとない見事な標本である。同じ過ちを孫の代まで継がせてはならない。悪いことは早く断ち切るべきだ。今年の正月はなぜかすがすがしく、懐も豊かに感じ良い正月だった。
お金に余裕が充分ある方は、三菱マテリアルがやっている、金貨を子供や孫のため誕生日ごとに一枚づつ結婚式まで貯める豪華で高価なプラン『My Story カンガルーアニバーサリー』に入会し、お年玉替わりにしてもよいだろう。