団塊的“It's me”

喜寿老(きじゅろう77歳)の道草随筆 月・水・金の週と火・木の週交互に投稿。土日祭日休み

社会問題 年金

2007年06月09日 | Weblog

 ロシアのサハリンでこんな小話を聞いた。

あるレストランで一緒に食事をした日本人、アメリカ人、ロシア人がいた。3人が帰宅して食事が原因で病気になった。これに対しての反応は、日本人が「国に訴えるぞ」、アメリカ人が「レストランを告訴する」でロシア人は、「あんなレストランを選んだ自分が悪い」であった。

最近のベストセラー早坂隆著『世界の日本人ジョーク集』の中では、“スープに蝿が入っていたら?”の項で日本人“周りを見回し、自分だけに蝿が入っているのを確認してから、そっとボーイを呼びつける。”、アメリカ人“ボーイを呼び、コックを呼び、支配人を呼び、あげくに裁判沙汰となる。”、ロシア人“酔っぱらっていて蝿が入っていることに気がつかない”とある。『世界の日本人ジョーク集』の蝿の話だと、私が言わんとすることの引用にはならない。

私がサハリンで聞いた小話のほうがずっと現実味があると、私は自分がサハリンでロシア人に混じって暮らしてみて思った。年金の話である。ロシアの友人は、毎月夫婦で日本円にして約1万円の年金生活をしている。ロシアの年金は破綻している。電気代だけでも冬は毎月7200円かかる。年金だけで遣っていける訳がない。でも生きている、自給自足でたくましく生きている。口には出さないけれど「こんな政府を選んだ自分が悪い」とでも思っているのだ。ロシアの大衆の忍耐力は、筋金入りである。

日本人はどうか。国を信じる度合いは世界一ではなかろうか。今回の社会保険庁問題に関して、きまったように街頭インタビューで街行く人は「国がやっている仕事だから大丈夫だと思って信じていたのに」と答える。いまだかつて「国がやることはこんなものです。こうなって当たり前です」と言うのを聞いたことがない。なぜこうなったのか?国に国民が一定条件でにじり寄れば国が答えてくれたからである。一定条件とは何か?お役人様のやることにイチャモンをつけないことである。お役人様がせっせと役得を懐にしても黙って見過ごせば、おこぼれが回ってきていたのである。国中がわっせいわっせいと右肩上がりの経済成長をして、国民もバブルで踊っていた時はそれでも良かった。夢からさめれば見えるのは、他人の憎き羽振りのよさばかり。役人や政治家やヒルズ族をお前もか、と突っつくだけでは何もできない。

では団塊世代はどうすればいいのか?できるだけ自給自足の生活をするのである。自給自足は食べ物を自分の土地や自然から調達するだけではない。国を頼らない、役人を信じない生活も自給自足である。年金なんて所詮、国家が胴元のネズミ講。生命保険会社しかり。今日成り立つはずがないシステムが、明日が来ることだけを担保に動く,と高校の時の教師が言っていた。100年後の『世界の日本人ジョーク集』に日本人は“だから言っただろう。家で俺が作るのが一番安全だって。うちには蝿はいない”となれば良い。家を大切に、家族を信じる。人柄が国柄をつくる。

ロシアの諺:“われわれ(人民)は働くふりをし、彼ら(政府)は給料を支払うふりをする”(写真:サハリンのアパート)

 

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