団塊的“It's me”

喜寿老(きじゅろう77歳)の道草随筆 月・水・金の週と火・木の週交互に投稿。土日祭日休み

桜・大相撲・高校野球・サッカー

2016年03月31日 | Weblog

  家の前の桜は10日前から咲き始めた。そのあと寒い日が戻り桜の開花にブレーキがかかってしまった。桜並木に沿って散歩をするのを楽しみにしていた。寒さは私を再び家の中に閉じ込めている。27日に窓から桜を楽しめる友人宅に招かれた。友人は慎重に桜の開花時期を予想しての招待だった。友人夫妻は「まだ2分咲きですが・・・」と恐縮していた。翻訳家の夫妻は、仕事が忙しい中、献立表をカラー印刷して用意してくれていた。“お呼ばれ”は私を幸せにしてくれる。夫妻二人の料理に舌鼓をうち、会話を花咲かせた。献立表の最後は「コーヒー  自家製カントゥッチ + 2分咲き桜と楽しいおしゃべり」とあった。

 あれから4日たったが、家の前の桜並木はまだ5分咲きである。テレビでは桜の開花予想が頻繁に流される。ある男性天気予報士が「只今春は春休みをとっていますが、まもなく休みが明け、本格的な春が来るでしょう」と粋なコメントを述べた。

 こんな天気予報士を悩ませる変わりやすい気候の日常を救ってくれたのがテレビのスポーツ観戦だ。琴奨菊がもしかしたら横綱になれるかも、と期待をかけていた。白鵬が初日黒星スタートで期待は高まるばかりだった。結局、琴奨菊は8勝7敗で横綱は消えた。私は横綱の日本国籍にこだわらない。相撲は1対1の勝負である。一番一番の取り組みをギリシャの古代オリンピック並のほぼ全裸状態で闘う。あの巨体を鍛えに鍛え、向き合い真正面からぶつかり合う。

 大相撲が中盤に差し掛かると今度は春の高校選抜野球大会が始まった。この一日の時間経過の中での充実感がたまらない。高校野球は何が起こるかわからない。球児のあの小さな硬球にくらいつく真剣さが好きだ。守備ではあの広いグランドの中、いつ自分に飛んでくるか予測も立たない。打席に立てば、速球、変化球、スローボールで惑わされる。自分の好きなコースを待ち、狙いを定める。一個の硬球が選手、審判、応援団、観客を太陽の引力のように引きつける。

 24日にはサッカーワールドカップのアジア二次予選でアフガニスタンと対戦した。29日にはシリアと対戦。3月後半はスポーツ観戦に多くの時間を割いた。

 嫌な事件やニュースが多すぎる。だからスポーツ観戦に逃げ込んだ。テレビのワイドショー的な番組は、これでもかと嫌な事件を取り扱う。私はそれらの番組を観ない。ベルギーでの自爆テロ。乙武洋匡氏の不倫。東京の世田谷でのパトカーに追跡され信号無視した車がタクシーに激突してタクシー運転手が死亡。元千葉大の学生に2年間監禁された埼玉県朝霞市の15歳の女子中学生が保護。私には理解不可能である。どうして、何故と考えても答えは見つからない。スポーツはルールがあり、審判がルール違反を即座に判定する。勝敗の決着が出る。こんな単純明快なシステムが人々の日常生活にも国際社会にも存在していない。

 今朝は早朝から陽が差して、家の前の桜もまだ半信半疑だが一つまた一つと開花し始めているようだ。不可解な人間の行動や心理にはついて行けない私でも、桜が咲いたか、今何分咲きかは判断できる。嫌な感情を閉じ込めて、この季節、しばらく桜に夢中になっていようと思う。窓の外、竹林に木漏れ陽が揺れている。これから散歩に出かける。

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