団塊的“It's me”

喜寿老(きじゅろう77歳)の道草随筆 月・水・金の週と火・木の週交互に投稿。土日祭日休み

春という漢字

2020年03月24日 | Weblog

  毎週日曜日午前9時から12時までの3時間ラジオのニッポン放送で『三宅裕司のサンデーヒットパレード』を楽しみに聴いている。テレビは新型コロナウイルス一色。どこのチャンネルを回してもやっていること言っていることに変わりがない。新型コロナウイルスに関してわかっていることは、人類が未だにこのウイルスを封じ込める治療薬を持っていない、とまだ新型コロナウイルス感染を予防可能なワクチンがない、である。薬とワクチンが無い以上この感染は自然淘汰される、つまり人間に抗体ができるまで続く。毎日テレビは、世界のどこで何人感染、何人死亡をランキングのように伝える。コメンテーターたちが、ジャーナリストたちが、こうじゃないか、ああじゃないかでは、井戸端会議や立ち話と変わりない。多くの医師が登場するも、彼らの多くは、新型コロナウイルス感染の前線で治療に当たっている医師ではない。想像は妄想を生むだけである。私はテレビでコロナ関係の番組を観るのを避けている。

 先週19日木曜日、東京の病院へ糖尿病の検査と診察を受けるために行ってきた。正直、新型コロナウイルスに感染するのではという恐れがあった。この数週間人との接触を避けている。自ら人混みに飛び込んでいくことに抵抗があった。加えてこのところ風邪気味で咳が出たり、喉の痛みもある。電車の中で咳をすると、喧嘩になることもあるという。普段のマスクにガーゼを入れて着用した。血液検査も脚の血管狭窄の度合いにも大きな変化はなく診察でも問題は指摘されなかった。正直ほっとした。

 日課の散歩は、5000歩が目標である。糖尿病患者は、免疫力が低いと言われている。免疫力を保つには、ウォーキングが良いというので天気が良い日は散歩して、悪い日は、家でウォーキングマシンを使う。先週あたりから桜並木の桜がちらほら咲き始めた。春の楽しみのひとつである。散歩はウォーキングマシンと違って道草という楽しみがある。この数か月歩く時、ロングブレスという呼吸法をしている。3秒吸って7秒で吐く。散歩コースは、川のほとりで人もいなく車もそれほどは通らない。マスクを顎におろして、吸って吐いてを繰り返す。吐くときは、口笛を吹くように唇を尖らせて吐く。人とすれ違う時はやめる。そうでなくてもいつもやぼったい格好なので、ロングブレスをしていたら不審者と思われるに違いない。

 散歩の楽しみは、自然とのふれあいである。人工的な物から離れ、人の手が加えられていない物へ目を移す。今住む地には、そういう所があるのが救いだ。川には鴨が泳ぎ水草をついばむ、サギは魚を狙って微動だにせずに佇む。大好きなオオイヌノフグリの青い小さな花。子供の頃、わざわざ酸っぱさをはかるために齧ったスイコン。目にする自然は、いろいろな病原菌や災害に淘汰された結果である。だからこそ愛おしくもあり、畏敬する。

 そんな気持ちで散歩を終えて、家でラジオを聴いた。三宅裕司のサンデーヒットパレードの中で「春という字はね、三人の日と書くのよ、とおばあちゃんに教えられたヤダモンは、『違うよ、二人の一日って書くの』と教え返された。おばあちゃんはポッと赤くなった」(山梨 高杉サイシンサク投稿)が紹介された。テレビでは決して味わえない面白さがある。子供の発想力の豊かさに感心。それを書き留めて番組に送ってくる人の手間ひま。その投稿を聴いて喜ぶ私。人それぞれにいろいろな才能が与えられている。新型コロナウイルスと人類の戦いに多くの医学者、科学者が挑んでいる。私はヤダモンの発想に微笑み、このところの鬱々した気持ちがスーッと軽くなった。同時にきっと近いうちに治療薬やワクチンに関する良いニュースが聞けるのではとも思った。

 


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