毎日楽しみに開けるブログが3つある。『山の恵み里の恵み』gooブログは、そのひとつである。作者は、神出鬼没なので、毎日開けなければ、つかまらない。つかまえることができると、何か一日得したような気分になる。このところの猛暑で『山の恵み里の恵み』さんは、8月2日に投稿して以来、8月30日の再登場だったので私を心配させた。この間の動向が、久々のブログで見えてきた。「二百十日目前だというのに、日射しは相変わらず強烈。・・・・・朝は朝寝、昼は昼寝、夕は夕涼み、夜は夜寝・・」『山の恵み里の恵み』さんにとっても今年の酷暑はこたえたに違いない。私もこの期間ほとんど家にこもって同じような生活をしていた。
『山の恵み里の恵み』さんは健脚である。6月3日投稿に投稿された『立峠に立つ』には“5月31日旅人:爺っちゃん2人”と書いてあるので、仲間と歩いたのだろう。総歩数23、229歩の数字にびっくり。早速私の日記で調べると、同じ日の私の総歩数は、11、640歩だった。自分ではもうこれ以上無理というところまで歩いたつもりだった。一日1800カロリーの食事療法中の私が、一食で約1000カロリーはあるカツ丼を食べても大丈夫か、と思った数字だ。爺っちゃん二人が山を歩いて23、229歩に脱帽。江戸時代の江戸に住んでいた人々は、ある学者の推定で一日平均3万歩歩いていたというから、『山の恵み里の恵み』さんは、私よりずっと江戸人に近いことになる。また歩いた後、切符の購入の仕方によって浮いたお金で缶入りのお茶『お~いお茶』を買って飲んだ話が載っている。普段奥さんが入れたお茶を保温水筒に入れて持ち歩く『山の恵み里の恵み』さんが、自動販売機でお茶を買うのは、事件である。しかしその後で「まずかった」とあり、私は安心した。
やっと暑さもおさまり、『山の恵み里の恵み』さんの活動のエンジンがかかったようだ。私にはもうできない鈍行各駅停車の列車の旅、農作業、山菜取り、きのこ採りを『山の恵み里の恵み』さんのブログで体験させてもらえる。私の子供の頃の故郷で経験したこと、サハリンの山中奥深くにリンさんと入り、ワラビ、キノコ、ウド、木の実を採った思い出がよみがえる。近ごろの私の歩数は、『山の恵み里の恵み』さんの半分以下でも、共に歩いている気分や収穫をあげる喜びが味わえる。
健康で健脚な『山の恵み里の恵み』さんのような生き方は、もう私には無理だ。しかし憧れる。『山の恵み里の恵み』さんは定年退職後、群れることもなく、時代に迎合することもなく淡々と生きている。自分の足で、ほとんどひとりで好きな山奥深く分け入って行く。一見、天衣無縫のようであるが、しがらみや煩悩を持ち前の深い学究心で闘い、抜け出たしぶさがある。そのうしろ姿を私はじっと追い続けてゆきたいと思っている。