団塊的“It's me”

喜寿老(きじゅろう77歳)の道草随筆 月・水・金の週と火・木の週交互に投稿。土日祭日休み

眼底検査

2010年01月14日 | Weblog
 糖尿病による合併症の波及や進行を診察する検査は、糖尿病患者にとって大切なことである。いくら血糖値を低く保てても、一旦糖尿病と診断されれば、見えないところで、いろいろな糖尿病による弊害が出てくる。私は運動療法、食事療法、薬療法によって、この20年数値的には糖尿病を管理できてきた。それでも2001年に心臓の冠動脈の狭窄による狭心症の発作を起こし、心臓バイパス手術を受けた。

 糖尿病で警戒しなければならないのは、眼底網膜症だといわれている。糖尿病は血管に悪影響を与える。血管内を流れる血液内の高血糖が血管内皮を痛め、損傷を受けた内皮は修復しようとする。結果内皮が厚くなったり、固くなり血管を狭める。その進行度合いを検査できるのが眼底の血管だという。

 この眼底検査は、薬品で瞳孔を開かせなければならない。検査そのものは、痛くもないし短時間で終える。しかし開かれた瞳孔が元にもどるには、数時間かかる。今回検査を受けたのは、家に近くに最近開業した眼科医院だった。40歳半ばの男性医師だった。話し方が単純明快で歯切れ良く、感じの良い信頼できそうな医師だった。「右の眼底は問題なく綺麗です。左側に糖尿病による網膜症が診られ、進行しています。こちら側に注意して半年ごとに検査していきましょう」で検査が終わった。1年前に東京の眼科医の検査を受けた時と同じ所見にちょっぴり安心した。

 ついでに最近の疲れ目のことを訴えた。2日前に映画『2012』を東京で人に会う時間調整のため観た時、チケットが最前列しか残っていなかった。無理して大画面のすぐ前で、無理な姿勢でつまらない映画を観た。案の定、右の白目に赤い筋がでるほど眼に負担をかけた。そのことも説明して診てもらった。「右目は処方する目薬ですぐによくなります。疲れ目は効くという患者さんもいれば、効かないという患者さんもいますが、一応目薬をだすので、しばらくそれを使ってみてください。お大事に」で終わった。

 医院から外に出て、晴れた眩しい道を開いたままの瞳孔にとまどいながら、歩いて家に戻った。瞳孔の絶妙な調節によって普段どれほどの恩恵に助けられているかと感謝した。医師の言ったとおり、右目は次の日きれいに治っていた。疲れ目は、一週間過ぎても、どういう変化も無かった。こんどの眼科医は、私の信頼をがっちり掴んだようだ。

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