冬の間、広々として何もない田畑は 鹿の通り道だった。
それが今さら水が入ったからってそう簡単にはきりかえがきかない。
つまりは、鹿はそれと知らずに田んぼを荒らすことになる。これでは困るので、それを教える為に、夜なかの田んぼを照らす。
かなりまぶしい『ひとつ目小僧』であり、近所で呑んで帰ってくるときには、便利な外灯になる。
鹿の食害は年々ひどくなる一方で、畑の野菜だけでなく、チューリップや椿、植えたばかりの稲まで食べてしまう。
夜、出くわすと一定の距離までは逃げないで、顔だけをこちらに向けて クリクリのつぶらな瞳で振り返っている。
カワイイ。
しかし、心の内で、「いつか食っちまうぞ!」と思っている。
去年は結構、いただきましたケド。