パラダイスヴュー~きき~
びゅーびゅー
春の
はじまりの嵐
びゅーびゅー
ちょび髭の
なびく髪
青い空を
切り裂く
2機の尖った
刃物
が
ぽとりと
柄を
落とした
しかたねえ
急いでいるし
毎日
朝晩の
空
間に合わないねん
美術館やら
病院も
関係あらへん
ききせまっているから
いそがしいねん
でさ
えらいお方が来るから
提灯行列に
旗で
お迎えせんとな
躍らせられた
だまされた
覆い隠されたままに
めしいた眼で
走ったあの時に
戻るのか
どこかで
警報が鳴っているのに
耳を押さえ
考えることを
やめたい
わたしも
きき