ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

サーカス

2018-03-06 00:06:56 | 日記
                   サーカス



                落ちた鳥は
                羽も折れ




                親鳥の巣で
                丸くなり
                


                餌を
                狩る力も失い


                古くなった
                マットの上                
                こもっている



                140Kgの
                巨体を
                もてあまして                
                おさめる部屋もない


            
                つぶれた
                過去に
                すがっても
                すでに
                その崖っぷちから
                落ちてしまった


               
                見放された
                恐怖に
                さいなまれて
                暗闇に目覚め
                光に満ちて
                辺りを見渡せる
                日中を
                眼を閉じてみようとしない


               
                   崩れ歪んだ顔
                   手の施しようもない
                   哀れな患者に
                   投げつける言葉は
                   石
                   どっちもどっちの
                   哀れさ



                   世界はいつも壊れ物
                   細い綱が時代
                   人間は
                   バランスをとる棒を
                   持たずに
                   ゆらゆらと
                   綱渡り



                   サーカスの綱渡り