ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

2012年12月12日・・・いち・に・いち・に、さん!

2012-12-12 19:00:42 | 日記



                          冬の光の中で




                        冬の煙った光の中で
                        手をかざして
                        青白い細い命の流れを確かめる

                        車いすの
                        感触

                        冷たいが穏やかな風を
                        少しくぼんだ頬に
                        受けて

                        何も言わず
                        青い空を眺めていた

                        いつも歩いて通っていた
                        あの病院の白い道は
                        広いアスファルトに
                        変わり

                        バスの停留所のあった
                        売店の看板は
                        色あせ
                        剥げ落ちて

                        勉強会で一緒だった
                        同じ時代を生きた人も
                        去り

                        怒りも
                        落胆も
                        喜びも
                        息遣いさえ
                        きこえてこない

                        しかし
                        生きてきた
                        あしあとが
                        そこらじゅうにのこり
                       
                        わたしも
                        その足跡のひとつ

                        冬の煙った光の中で
                        手をかざし

                        生きてここにいることを
                        確かめ

                        足跡を振り返っている
                        
                        

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